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ドイツ一人旅_ドナウの旅人_00_06【海外旅行】

前の話  プロローグ  第1話

1998年秋 0日目 日本

高校生まで読書は苦手だった。

大学生になり友人から面白いから読んでみなよと宮本輝さんの『青が散る』を渡された。宮本輝さんとは波長が合うのか、あっという間に読み終えてしまった。

それをきっかけに今までが嘘だったかのように軽い活字中毒になり、大学の行き帰りに電車の中で本を読むようになった。そして人生を変える一冊と出会う。

『ドナウの旅人』

ストーリーに引き込まれたこともそうだが、いつかドナウ川に沿って旅をしてみたいと漠然に思っていた。だからドイツに行くならドナウ川に沿って旅をしたいと思ったのは自然の成り行きだった。

特に行ってみたいのはレーゲンスブルクにあるヴァルハラ神殿だ。神殿そのものにはさほど興味はなく、神殿の回廊からドナウ川を見たいのだ。

『果てしない緑の野にドナウ河が流れていた』
『ドナウは弧を描いたあと、そこからまるで広大な空へと昇っていくかのように真っすぐ延びていた』
(ドナウの旅人(上) 『牧歌』より)

取材紀行記の『異国の窓から』で『ヴァルハラ神殿の回廊から眺めた眼下の景色以上に美しいものを、まだ目にしていない』と言い切っている、その景色をこの目で見たい。

『ドナウの旅人』では源泉とされている西ドイツのドナウエッシンゲンにあるドナウの泉から共産圏のルーマニアの河口まで旅をする。

今回の一人旅ではドイツとオーストリアの国境の街パッサウからドナウエッシンゲンに遡る計画を立てた。

特にウルムから先は原生林をドナウ川が這うように流れており、車窓からの景色は飽きないそうだ。

地球の歩き方の『兄貴』は何でも知っている。



次の話 (表示されない場合は次回更新までお待ちください)

ドナウ川に沿って訪れる予定の街

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