ドイツ一人旅_きっかけ_00_01【海外旅行】
1998年秋 0日目 日本
「アソビニ、キテクダサイ」
「遊びに行きたいなー」
「ゼヒ、キテクダサイ」
「本当に行っちゃいますよ」
それがきっかけだった。
20年前の僕は修士課程の2年生。修士論文にも目途が付き、卒業旅行でどこに行こうか考えていた。
英語は苦手で海外旅行は初めから選択肢になかった。周囲の友人は既に就職して社会人になっており、卒業旅行は一人旅になるので尚更だ。
Gさんは中国から留学生として僕が所属していた研究室にやってきて、今度はドイツに行く。そんなに久しい間柄ではなかったが、Gさんは誰にでも優しい笑顔で接していて、それが人柄に表れていた。
「ドイツかぁ」
ドイツには以前から興味があった。所属していた研究室を選んだのは環境問題に関心があったからであり、ドイツは環境先進国である。
本当に行っちゃおうかなぁ、気持ち半分で思い始めていた。本屋に立ち寄り、そこで手に取った『地球の歩き方』が始まりだった。
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