読書感想文5

池上彰(2009)知らないと恥をかく世界の大問題、角川マガシンズ

 どうも、アニオタアラサーです。前回の投稿からだいぶ期間が空いてしまいましたが、今後は毎月1回くらいのペースで、何かしら上げていきたいなぁと思っております。まあ気分次第です。
 
 今回は、テレビ全盛期時代の週刊子供のニュースのお父さん役だった池上彰さんの著書になります。タイトル見た時に、まあ読んどくかと意識高い系の自分に刺さったので買いました笑。池上さんは今もテレビでニュース解説をやっていらっしゃるので、よく観てます。

 読んだ感想として、2009年時点の世界の動向と日本の政権とこれからについて書かれていました。
 2009年といえば、リーマンショックという著者曰く"世界大恐慌の再来"があった2008年の次の年になりますね。私がまだ中学生だった時の話です。
 ちなみに前回の世界大恐慌は1929年にアメリカでありました。100年に1度ということは、あと5年後になんか株価大暴落とかするのでしょうか?そうなったらNISAとかえらいこっちゃになりそうですね笑笑

 この本から重要と思った点を取り出すと世界のお金の流れの変化と覇権国家の変更と日本の政権交代の3つかなと思います。変化の年だったんですね。

 世界のお金の流れはイギリスを中心として、西から東に動いているそうです。これまでアメリカが重心としていたのですが、これが2009年の時には、中東のオイルマネーと新興国の中国やインドに引っ張られて、どんどん重心が西に行っているということになります。今の2024年時点で中国を完全にライバル視しているアメリカは、2009年からヒヤヒヤしてたんでしょう。
 さて、お金の流れのカギを握るキーワードの1つとして著者は「資源」をあげています。なぜなら今後、世界人口はますます増えて資源不足が起き、資源を持っている国にはお金が流れるからです。
 資源は石油、石炭等を思いつくでしょうが、インドや中国はこういった「資材」ではなく、「人材」を多く持っていたというのが重要です。
 資源を持っているだけでは不十分で、資源を有効活用できるシステムがなければ、宝の持ち腐れになります。その点では、インドと中国は教育に力を入れることで、IT国家や技術立国として力をつけているというのが2009年の状況。ただインドはインフラ設備がまだ未発達のため、そこが成長の鍵とも。2024の今、ITランキングではどうなっているかというと

IMDのWorld Digital Competitiveness 2023
世界デジタル競争力ランキングを参照すると
第19位中国 84.41
第32位日本 75.43
第49位インド 57.74
となっています。ちなみにトップ3は
1位アメリカ       100.0
2位オランダ         98.1
3位シンガポール 97.4
です。
開きがすんごいことになってます。多分アメリカを100とした場合の比較じゃないかなぁと。

ちなみに早稲田大学が出してる「世界デジタル政府ランキング2023」で比較すると
1位デンマーク 93.29
        小数点第2位から切り捨て
2位カナダ        92.24
3位イギリス    91.92
11位日本        83.55
30位インド     73.09
43位中国        65.30
となります。政府への期待度も含まれてると考えると、妥当かなぁくらいの順位ですね。
 まあ、これからのデンタル人口だけで見れば、日本の順位は下がっていくでしょう!だって人材いないもんねー泣。画期的なアイデアで仕事がAIと機械が中心になればまた別かな?

続いて、覇権国家の変化についてお話しします。2009年は、アメリカ一極集中に代わり、いろいろなところが覇権を握ろうと動き始めています。
 2009年に流行した言葉として「BRICs」「VISTA」この二つのうち、ブリックスは最近ニュースでも出てきますね。
 BRICsは、ブラジル、ロシア、インド、中国の頭文字をとったもの。成長の著しい国同士での経済協力の名前になります。
 VISTAは、ベトナム、インドネシア、南アフリカ共和国、トルコ、アルゼンチンの頭文字となり、BRICsの次に経済成長を見込めるグループとして注目されています。
 今後はこの枠組み内の国々が覇権をめぐって争うかもです。ちなみに各国にどんな強みがあるのかも著者は説明されていますが、ここでは割愛します。個人的には、今の中国経済はバブル崩壊状態なので、インドに頑張って欲しいところですがどうなるんでしょう。

 最後に、日本の政権交代の話ですが、2009年に何が起こったかというと、自民党から民主党への政権交代が起こりました。これにともない、民主党政権では何が起こるかということで、著者の意見をまとめると、
「社会民主主義的な色彩が復活する」でした。
前政権の小泉政権がやらかしたこととして、
1.郵政民営化のやり残し
2.人材派遣業法の改正
新政権がやったこととして
「政府・与党の一元化」
を、あげています。
感想で書くのが難しいので、詳しくは本を読んでいただけると嬉しいです。

 そして知っておいた方がいいこととして、自民党と民主党の"哲学の違い"をあげています。
自民党には、奥さんは専業主婦、養ってもらうものという家族観があるので、配偶者控除や扶養控除という税金の制度が存在しています。
 
 しかし、当時の民主党のマニフェストには、「子ども手当」を実現するための財源として「配偶者控除」と「扶養控除」を廃止する方針があったとのこと。
 民主党としては、子供や奥さんの有無といった家族形態で税金の額が変わるのはおかしい、結婚するしない、奥さんが働く働かないは個人の自由なのに、税金が違うのはどうなんだ?という考えとのこと。
 今までは、政府の頭なんてどこがなっても同じだろうと思っていましたが、わずかな違いがあるのが知れて良かったです。
 結局、時の民主党政権は多額の借金を作って終わってしまったのですが、基本的な考えに筋あったのですね。今ではいろんな党に分かれたので何が何だかさっぱり状態になっていますが。党員が少ないところが与党になるとどうなるのか観てみたい気もします。

 まとめとして、2009年から見る現状と未来予想がよくわかり、読んで良かったと思いました。今起こっている世界問題はすでに20年前から燻っていたというのも知れて、解決はまだまだ遠いなと感じました。まだ続編を読んでいる途中なので、そちらの感想文で感想をまとめられたらいいかなと思います。

 お読みいただきありがとうございました。


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