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親子で乗り越えたリバウンド

今年ももうすぐ終わり
今年、思い出に残った患者さんの一人に
小学校5年生の男の子がいます

とても明るくて、お友達もいっぱいいました
サッカーとバスケが大好きで
ずっと運動して活発な男の子でした

その子がもっと小さいころからのアトピーで
薬をもうぬりたくない!という
本人の強い気持ちがありました
おかあさんも薬を止めさせたい、という気持ちがあって
来院されました

とてもたくさん塗っていた時期もあったからか

当院に来て脱ステ脱保湿しだしたら
ものすごくひどいリバウンドがきました

顔も体も傷だらけになって
血だらけになって
本当につらかった

夜中はかゆくってかゆくて
ねむれずに大声出して叫んだりして
1時間30分ごとに起きてきて
おかあさんに掻いてくれと頼んだりして
おかあさんも眠れない日々が続き
男の子は
学校にいけなくなりました

かゆみから気を紛らせるために
おかあさんはゲームも許して
少しでも気分が楽になるように
しました

家でゲームばかりしているので
ごはんも食べずに

しばらくしたら、ものすごくゲームにはまってしまい
施術に来てもゲームから目が離せないくらいになり
おかあさんはどうしたらいいかわからなくって
とてもお困りでした

おかあさんも眠れないことが多く
涙しておられることもしばしば

ある時脱ステの先生に診察に行って
先生から

「自分で良くしようと真剣に思わないと
絶対に良くならん

夜に寝ずに、ゲームして
それでアトピーが良くなるって思うか?

そうじゃなかったら
自分で良くしようと思って
やることやらなあかんやろ」

って目を見てズバット言われました

それから
何かが変わったようでした
行ったり来たりはしつつ
本当に少しづつ
改善していき
夏休み明けにやすみやすみですが
学校に行けるようになりました

最初は傷がつらくて友達と遊ぶこともままならなかったのです
余りにも傷だらけの顔と身体なので
友達からからかわれたりすることもあったようでした
それでも先生や親友のあったかい言葉かけもあって
本当にうれしかったとよく言っておられました

学校に行って友達と一緒に遊べるようになったら
ごはんもしっかり食べて
学校にも一人で行けるようになりました

そして、それからはかゆみはあるものの
アトピーのリバウンドもましになり
どんどん肌もよくなり
学校も普通に行けるようになってきました

彼はお灸が大好きでした
落ち着くといっていました

彼はものすごく大変なリバウンドでしたが
すごかったのは

「絶対に薬は塗りたくない」という強い強い決意でした

おかあさんはあまりにもつらいリバウンドの時に
「ぬる治療に戻るか?」と話す時期もあったのですが
本人の強い気持ちが勝ったようでした

子供であれだけのつらいリバウンドを乗り切るのは
本当に大変だったと思います

また一緒に乗り越えたお母さん

おかあさんは子供のアトピーのリバウンドを
見守るつらさと
親としてどのように導いたらいいのか
その大変さを身をもって経験されました

最初は色々と世話されていたし
どのようにとらえたらいいのか
真剣に悩んでおられました

私は彼は甘えているだけだって思っていましたが
おかあさんの戸惑いがよくわかりました

でも、途中で「もういいわ」って肩の荷を下ろされたなって思った
時がありました

かいてもいいし
泣いてもいいし
何してもいい

あんなに頑張り屋さんだった息子だけれど
いうことを良く聞くいい子だったんだけれど

本当は甘えたい時期もあったのかもしれない

今はあまりにもりばうんどがつらすぎて
無意識で私に甘えているってことが
よくわかったって

良くなっていったら
徐々に元に戻るって
覚悟して子供さんを見守ることができたようでした

おかあさんが
アトピーってメンタル仕事やって思います

って言われていたことを思い出します

親子で乗り越えたアトピーのリバウンドでした

逃げずに乗り越えたリバウンドでした
こうしてこれからも色んなことあると思うけど
逃げずに乗り越えていかれると思いました

私はアトピーのリバウンドって
人生試されてるって思います

なんでもそうですが。
リアルに見せてもらっています



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