替え歌『これが自由というものか』

変わってほしくないものは、どんどこ変貌し、
変わってほしいものは、どーんと居座りつづける。

♪うーさぎおーいしかのやまー、なんて風景が破壊されて久しい一方、忖度だらけで、誰も責任をとらず、それを仕方ないと見過ごす風潮は停滞したまま。
 
それでも、顕微鏡、はたまた望遠鏡で覗いてみれば、いつの時代もどこの場所でも、違った「動き」が見えてくる。

エノケンこと榎本健一が歌った、三木鶏郎作詞『これが自由というものか』(1954年作)をご存知だろうか。70年前の元《もと》歌を聴くと、全然変わってないじゃん、ジャパン……と暗澹たる気持ちになるけれど、私が肉眼で見た雲の隙間のあかりを替え歌にして10数年前に披露したことがある。

『これが自由というものか』(1954年作)の替え唄 (2012年リメイク)

①  知らない間に原発が
   知らない間に増えていった
   知らない間にオール電化
      知らない間に温暖化
 
    これは呆れた驚いたー 何が何だかわからない
    これが進歩というものか あちらまかせの進歩論
 
②  知らない間に節電で
   知らない間に風邪をひき
      知らない間に値上げして
      知らない間に痛み分け
 
    これは呆れた驚いたー 何がなんだかわからない
    これが平等というものか 電事連まかせの平等論
 
③  知らない間に輸出して
      知らない間に再稼働
      知らない間に被曝して
      知らない間に泣き寝入り
 
    これは呆れた驚いたー 何がなんだかわからない
    これが政治というものか お上《かみ》まかせの政治論
 
④  知らない間にママたちが(パパもね)
      知らない間に立ち上がり
      知らない間に声上げて
      知らない間に子を守り
 
   これは希望だ たのもしい
   何が何だかいい感じー
   経済よりも生命《いのち》でしょー
   当たりまーえのこんちきちーん、
   こんこんちきちん、こんちきちーん、
 
⑤  知らない間に座り込み
      知らない間に署名集め
      知らない間に測定所
      知らない間に国民投票
 
   これは力だ ゆるぎない 何がなんでも拡げるぞ
   ちりも積もれば山となる
   これこそ真のデモクラシー
 
⑥  知らない間に京都から
      知らない間に脱原発
      知らない間に全国が
      知らない間につづいてく
 
   これは夢か まぼろしかー ほっぺた叩いて見たならば
   痛いよ いたいーよ あいたたたー
   これこそ 現実 かなう夢

夢は叶わないから夢なんだ……と言ってみてもはじまらぬ。
省エネ生活は続いている。
自前でエネルギーを調達するまでにはいたっていないが、
原発由来の電力は使いたくないので契約を変えた。
投票で意思表示をし、
諦めず息の長い活動をしている団体には僅少だけれど
カンパで応援する。
ときどき身の回りで話題にする。

「小さなことしか出来ていない」のではなく、
「出来ている小さなこと」をこれからも続けて行こう。
そして、そこに、「まだまだ出来ること」を足して行こう。
2024年バージョンの新作を歌うのもそのひとつ。
近いうちに書き上げたい。


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