毎朝毎晩恋文を書いている
兄さんに森見登美彦「恋文の技術」を誕生日にもらって影響を受けた
大学ノートにびっしりと書かれた狂気の塊をいずれ本にして文学フリマで売ろうと思う



兄さんにその一部を無理矢理聞かせた
出だしはこんな感じ

「貴方は自分がどれ程幸せ者かを理解していますか。貴方がわたしに好意をもった、という事実が既に十分幸せなことなのに、わたしから恋文が届くなど幸せを越えて絶頂ですよ そこをまずちゃんと理解しなくちゃあいけません。メッセージを既読のまま30日放置するわたしが、こうして毎朝毎晩机に向かって黙々と手紙を書いているわけです。貴方のためだけに！貴方には自分が宇宙一幸せになる覚悟がおありですか？わたしくらいの器量になると貴方だけでなくご家族ご友人もろとも幸福で満たすようなことはわけないことなのです。それを受け止める覚悟をキッチリもってください。貴方のお母様からまだ菓子折りは届いていないようですが そこはわたしの観音菩薩のような優しさで問題には致しません。ところでわたしが先日7通の手紙とともに貴方に送ったわたしの幼い頃の頃のアルバムとりんご一箱それから新米15kgは受け取っていただけたかしら。わたしくらいの器量になるとあの程度の荷物片手で持てるようになるのです。だから貴方がなにかの事情で動けないようなことが万一起こったとしてもわたしが代わりに動きますし片手で貴方を抱えてどこへでも連れて行ってあげますからご安心を。わたしにこんなにも愛されて貴方が気絶してしまわないか心配しています。御身体を大切になさってください。今日も貴方が大好きです。」

兄さんの感想は「この内弁慶が！」「普段からその調子で生きたらぁいいじゃないか」だった

わたしが「文章だと気が強くなるんです」と言うと即座に「わかる」と返ってきた