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怖い夢

夢を見ると不思議なのが、全く現実味帯びていない事でも真面目に捉えてしまうし、本当に焦ってしまう事だ。

夢で良かったと思える事や、なんだ夢だったのかと感じることもしばしばあり、なんであんな夢に真剣になってしまったんだろうかと考える。


最近見た夢でめちゃくちゃ怖かったものがあった。

実家に家族と住んでいて(そもそもこの時点でおかしい。僕は実家にいないし、家族もみんな結婚やらなんやらでちりぢりになっている。)、いつもと変わらず生活していたのだけど、家族に混じり松方弘樹に似ているスーツ姿の男がいた。

特に気にもしていなかったのだけど(気にしろよ)、どうやら謎に家族のリーダー感があり、厳格な態度で過ごしていたのだった。性格と風貌はまさにヤクザ映画の松方弘樹で、ちょっとコワモテである。


ある時タンスをロープで縛り、頭上にある柱へ通してその通した先を輪っかにして、他の家族と集まり何やら相談をしていた。

「よし。コレでいいか。な。コレでいいよ。」


そう言って家族も頷く。
そこへ僕がやって来た。

「何やってんの?タンスなんかロープで縛って。」


「おう。ちょうどいいところに来たじゃねぇかよ。」
そう言って松方は肩を組んできた。(つーか誰だよお前とは思いつつもその場のなんとなくな雰囲気に、僕もそこに松方がいる事に謎に納得)

「コレで何するかって、そりゃ見りゃわかるだろうがよぉ…。」

「え?」
松方は僕の方へとにじり寄り、肩を組んできて顔を耳へと近づける。そして小さな声でこう言った…。
「…殺すんだよ。……お前を。」

それを聞いて、皆が首を縦に大きく振り頷く。
この夢の中でいちばんゾクっと来た瞬間だった。

バカか笑…なんで?なんでそうなったん?
肩にかけられた腕を退け、半笑いで冗談でしょ?と思いつつ僕は言った。

「お前はノリが悪いからなぁ。みんなで決めたんだわ。」
そう松方が言うと、家族もまた縦に大きく首を振り、ニヤニヤと笑いだした。


「じゃあ。明日やるから。」
楽しそうに笑いながら兄は部屋を出た。

「仕方ないよね〜」
と妹が言う。


全員が静かに部屋を出て僕は1人部屋の残された。
ロープを首へくくりつけてタンスの重みでグッと持ち上げるんだな…、と想像が目に浮かぶ。

なぜか、そうなった時に自分はどうやってそこから脱出するのか、イリュージョンのような事をひたすらに考えていた。
当たり前だけど、そんな事できっこない。


何でだろ。
何で僕が選ばれた?

ま、選ばれて仕方ないかもな…。


呆然と立ち尽くした僕はいろいろ考えて、じわじわと胸の奥から恐怖心が遅効性の毒のように全身へと巡っていき、手にはジトジトの汗をかいていた。身体も謎に痒い。

受け入れるしかないのだけど、受け入れられない、どうしようもない気持ちが僕を支配して、どうにかなりそうだった。


そこで目が覚めた。

夢でよかった〜と思いもう一度寝た。
早朝の6時くらいだったな。



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