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SS【伝書箱】♯毎週ショートショートnote

お題「伝書鳩パーティー」

【伝書箱】(410文字)

伝書鳩たちは恐れている。
少し前まで、伝書鳩は人々にとって唯一の連絡手段として重宝されていたのだが、ある時『伝書箱』なるものが発明され、人々は容易に連絡し合うことができるようになってしまったのである。
そのスピードは鳩の比ではなかった。
箱には文字が並んだ板が付いていて、届けたい言葉を叩くと、その箱から相手の箱へと言葉が瞬時に移動するのである。

「伝書箱に仕事を奪われるっるー」
「どうするっるー?」
鳩たちは豆粒大の脳みそで一生懸命考えた。そして箱から箱へと移動する言葉はおそらく自分たち同様空を飛んでいくのだろうと考え、それを阻止する作戦を立てた。
鳩たちは数羽のリーダーの元、複数の『伝書鳩パーティー』を組んで飛び立った。

「どこにいるっるー?」
しかし空飛ぶ言葉はどこにも見つからなかった。

・・・

「おばあちゃん、それで鳩たちはどうなったの?」
「鳩たちがなぜ地面を歩き回ってると思う?空にないなら地面だろうって、今も探してるのさ」


おわり

(2023/5/8 作)



『たらはかに』様の5/7~5/13のイベントに参加させていただきました☆
むかし話風にしてみましたが……
伝書箱って、もしかしてアレですか…(;・∀・)アレだな。
ちなみにパーティーというのは、グループみたいな意味です。るるっるー

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