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SS【相性】♯毎週ショートショートnote

お題「数学ダージリン」

【相性】(410文字)

 だからってさ…と、つぶやきながら私は紅茶を淹れる。彼が珈琲の方が好きなことを知りながら。
 自らの行いを正当化する理由があればなにをしてもいいのだろうか。こういうことをしたけれど、それはこういう理由があったからなんだよ、なにか間違ってるかな?
 理数系で論理脳の彼に対して、文系で直感派の私はうまく言い返すことができない。だってだってだって…。なんか変だよ、違和感あるよ、うまく説明できないけど。
 彼は肩をすくめる。僕は今ちゃんと説明しただろ、君が理解できないだけさ。私はいつものように喉が詰まる。どこか変でなにかが違うのに。

 私は茶葉が開くのを待つ。三分。
 そういえば昔の数学の世界では、偶数は女性を表すと考えられていたらしい。奇数は男性。なんだか私は癪に障って四分待つことにした。
 渋くなったってかまうもんか。

「はい、数学ダージリン」
 嫌味だけ添えて、渋い紅茶にミルクも砂糖も入れずに渡す。
 私の直感は、彼にサヨナラすればと告げている。


おわり

(2023/10/16 作)

たらはかに様の10/15~10/21のイベントに参加させていただきました☆

数学なんて…、才能のある人だけがやればいいんですよ(ノД`)・゜・。
そのせいか、ちょっとスネた作品になりました…。
(でも、岡潔さんの随筆は好き!)

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