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美術館の春まつり in 東京国立近代美術館

こんにちは。

今年の桜はゆっくりゆっくり長く咲いてくれているような気がします。葉っぱが出ていたり、川に桜筏がたゆたっていたり、毎日毎日春を感じていてとても楽しいです。

今年桜がずっと綺麗

国立近代博物館では、ただいま重要文化財の秘密展が開催されていますが、同じく春まつりとして桜の屏風や絵も楽しめます!
企画展の入場券で常設展含めて見ることができるので合わせてみられて大満足でした。

日本画の春と屏風 春の屏風まつり

美術館の春まつり、は毎年恒例のようですが、今年は特に屏風に着目して展示をしているようです。

画家たちが好んで屏風に描くのは、(1)画面が大きいから、(2)収納が便利だから、(3)屏風のジグザグの折れに独特の画面効果があるから、だといえます。とくに、(3)が面白くて、屏風の屈曲の効果によって奥行きや動きが生まれるのを、うまい画家はちゃんと計算に入れて描きました。そう、屏風はただの平面ではないのです。
10.春の屏風まつりキャプション


屏風の大画面のメリハリ、本当にかっこいいです。
大きな画面でこういう風にできるようになりたい。
これだけ画面構成しようと思ったら、どのくらい大変なんだろう…。
描き込みが少ないは屏風をいかに作るかが難しそう…全部が全部描き込んでしまって息が詰まるようなものになったり。侘び寂び、密と余白…。

桜密!

アクティブペイント?

目を引いたのはポスターにも使われている、船田正樹の《花の夕》です。
昭和13年、1938年に描かれたとは思えないマゼンダが華やぐモダンな桜です。

船田正樹の《花の夕》


ポスターで見た時は、2022年に見たアクティブペイントのダミアン・ハースト展を思い出しました。絵の具をペペっと投げたような作品七日と思いきや、近くで見てみると一つ一つお花を描いてました。ピンクの色も濃淡さまざま。

桜の萼部分や葉っぱも描かれていました

鮮やかなマゼンダの桜は、日本画ではあまり見たことがない強いピンクでとても新鮮でした。
1938年、第二次世界大戦中の日本で、こんなモダンな絵を描く人がいたことにとてもびっくりしました!着物の柄とかにしても絶対可愛い!

ドットかと思いきや全て形が違う!

後ろの鈍い金色の丸は月でしょうか。
花の夕ということは、夕刻の満月と桜でしょうか。夕方の桜の色はたしかに色が濃く見えるかもしれない。
新年度を迎えるために浮き足立つ中で早めに仕事を終えて帰っているときに、長く咲いてくれていた桜が確かにこんな風だったような…と、時間や季節の空気感を想像しました。
(新社会人のみなさま、おめでとうございます!社会を楽しんで!)

2022年春のダミアン・ハースト 桜
アクティブペイント

ダミアン・ハーストの桜と比べてみると違いがわかりやすいですね!ポスターで見た時と実物では感じ方が違って面白かったです。
やはり芸術作品は実物をみるべし。

美術館でのお花見スタイル

国立近代美術館のこの空間の畳がとても魅力的です。疲れてる時に腰掛けてゆっくりできます。
常設展で疲れた方もここで一休みできます。

畳がたまらん
これもお花見

お花をテーマにした他の作品もあります。
お花のスケッチや平面の桜など、屏風との違いも楽しめます。

いよいよ桜も散ってきていますが、今年は本当に長く長くたくさんの桜を楽しみました。
桜をテーマにした連作切り絵も作ってみたいです。

キリッ

展示詳細

美術館の春まつり 2023
東京国立近代美術館
2023/3/17-4/9

日本人のDNAに刻まれる桜好きを感じる屏風たちをぜひご堪能ください!

近代美術館から見える桜

精進します。
切り絵作家 ひら子

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