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トリプル改定さあ

 スリザリンのほうから来ました。

 現在永田町と霞が関と駒込方面で砲弾の打ち合いをしている本件トリプル改定のあれこれですが、単純に根拠になっている財務省が出してきた機動的調査の中身がアレなので、それはアレですと反論して議論を差し戻して、コロナバブルでクソ儲かったPCR屋とかベッド数ゼロで当日施術帰宅OKと豪語して駄目なら救急車を呼ぶ類の美容外科クリニックの超絶高い利益率と、地元で地道かつ真面目にかかりつけ医として地域診療を担っている産科や小児科、皮膚科などの低利益率の公益的なクリニックとが一緒くたに平均取られて「ほら、お前ら儲かってるじゃないか。診療報酬引き下げじゃ」とやるのはEBPM的にどうなのかってのは論点としてあると思うんですよ。

 もっとも、コロナバブルで両手でつかみ取りのように補助金をガメた医療業界許せんという話もあるのですが、しかしそれは緊急対応で制度設計が適当で馬鹿みたいなPCR検査をやるゴミクリニックにも百億単位の税金を流し込んでしまった当時のコロナ室さんサイドにも問題があったんじゃないのというのがありまして、それをいまになって「医療業界全体が儲けた」と言われても真面目にやってるクリニックはひっそりと廃業するしかないでしょうし、そういう地域のクリニックによって何とか成り立っていた地域包括ケアとかかかりつけ医制度とかは崩壊しかねないのでどうするんだって話ですよ。

 また、地域基幹病院で、こちらも小児科産科など儲からない診療科が続々と閉科になっている現状で、地域で子どもを産み育てたいと思っても地域に産科がないので都市部に妊婦さんが親御さん連れて泊まり込みで子どもを産み、また、地域に小児科もないので子どもが夜うっかり発熱して痙攣しちゃったぞといったときに誰も面倒を見られないなんてことが往々にして起きてしまいます。

 医療制度の診療報酬改訂というのは昔みたいにどの診療科もとりあえず同じだけ飴玉あげればみんな儲かるだろうという欲張り村の村長時代とは隔絶し、診療科によっては開業時点で千万か億か借金して検査機器を導入して初めてそういう治療と向き合えるというリスクを背負って、その結果、地域の高額医療を担える診療所や小規模医院として成り立っているケースもあり、それを見て「標準医療全体の医療報酬を引下げするでやんす」と突然言われても倒産するやんけってのが実情なのではなかろうかと思うわけです。

 また、前述の通り自由診療でクソみたいな免疫治療で馬鹿を騙して大金を巻き上げたり、効果なんてねえだろという高濃度ビタミンC注射がガン進行に効くとか与太話を掲げて高額診療費を取ってるヤブ医者も数多くいます。こういうクソみたいな自由診療も交えた混合医療に手を染めないと潰れちゃうクリニックが出るような政策に誘導するのもどうなのかなあと思うわけですよ。

 他方で、いまはもうほっといても医療費は8,800億円ぐらい国民負担が自然増しまっせという試算はたぶん正しいのです。財務省も今回の改定案の辻褄を合わせるために、ここを「増やしたくないから診療報酬下げるでやんす」と言いたいのでしょうから、そうならそうと言えよってのが医療政策を見ている人間からすれば共通する意見じゃないのかと思うんです。そこは正論ですし、これ以上医療費は増やせないからどうしようという話ですから。

 そうなると、単価を下げて真面目なクリニックに「もっと多くの患者を診るために馬車馬のように働けや」という改定の話をするなら正直にそういう理屈を前に立てるべきであって、逆に、国民負担が増えるのは分かったうえで「この着地にするためにお前ら智慧を出せ」と一松が言えばみんななんか考えるんじゃないかと思うわけです。

 そして、日本医師会が謎の突っ張り方をして、まったく無関係の議論をしているところに突然診療報酬下げるな論をぶち始めてみんななんだこいつってなるのは非常に残念なことです。初めて来た人たちは当事者なのに最高にいかれたやつが会議に混ざってるぞって顔を見合わせることになるので、お控えいただきたいというのはあります。特に調査会では。

 結局、向こう数年(中期的)では診療報酬でいじってシーリングというか医療費総額抑えるよりは、やはり後期高齢者も勤労層も変わらず3割負担で1兆2,000億円ぐらいの医療費増がこなせるようなやり方で対応し、最終的には後期高齢者は一定の年齢以上は5割負担とか思い切った算段を採るしかないんじゃないのと思います。

 これらのトリプル改訂の細目を見ていて真っ先に死ぬのは介護業界なのは間違いないので、っていうか介護保険制度全体が見直されなければならないぐらいグラウンドゼロの状態で崩壊しかねないと思うんで、中期的な最適解である全年代3割負担ゆくゆくは高齢者5割負担としても介護保険制度は死ぬ運命にあり、存続させるのかやめちゃって税方式かなんかにするのかはもう一回改革案を作んないと駄目だと思います。介護に関しては特に、崩壊してからでは再生させられないレベルで大変なことになるので(独居老人が多い地方の自治体が真っ先に死ぬ)、これはもう危機対応が必要なプランBも踏まえて考えないと駄目じゃないのかと。

 死ぬ死ぬ言ってますが、今回のトリプル改定は本当に死ぬんで、死ぬんですってのはみんなに知ってもらいたいし、そこには財務省の陰謀なんて微塵もなくて、死ぬから死ぬって言ってんだよという状況であることは理解しておいてほしいなあというのが本音です。

 なんか円安でウハウハな財務省は外為特会取り崩して埋蔵金がたんまりとか与太話を真顔でアンダーソン議員(それも元政調会長)に流して平場の議論を混乱させる馬鹿な元参与がいるらしいというのも笑えないぐらい死ぬ話なのかなあと思っておりますです。誰か助けてください。

 あと、あの機動的調査って出元は実際どこなんですか。国税庁ですか。

 画像はAIが考えた『カツアゲしようと思ってジャンプさせたけどあらゆるポケットに一枚もコインが入ってなくてしめやかに終了する学生さんと不良』です。

 あ、補足ですが、日本医師会も医療機関やクリニックの経営状態に関わる情報はちゃんと出したほうが(今回は)良かったっと思うんですよ。診療報酬を抑え込みたい側は、儲かっているクソクリニックも死にそうな顔で真面目にやってて患者さんと向き合ってるクリニックも同じ診療所として利益率見るわけじゃないですか。で、それは実態と違う、我々は儲かっていないと言ったって、儲かっているクリニックは医師会に入ってなかったり、黙って儲けて愛人囲って洋上レイプパーティーとかやってるわけじゃないですか。

 また、お前らベッド数0のクリニックなのに空前の利益をうっかり上げちゃったから外車や美術品買いまくって凄いことになってるクリニック経営者や、カネの使い道が無いから芸能人に意味のない動画を作ったり歌を歌わせたりしてるクリニックもあるわけですよ。

 これらは確かにコロナバブルだし、必要だからPCR検査やって対応をお願いしたんだと言われればそれまでなんだけど、これらは緊急対応で仕切りがよろしくなく、結果的にバブルを享受できたクリニックが合法に悪質だったってことなんだと思うんで、こういう火事場泥棒的な問題も含めて「クリニックは儲かり過ぎだ」ってやるのは国民にとって不幸じゃないのかと強く思います。

 そんじゃーね



神から「お前もそろそろnoteぐらい駄文練習用に使え使え使え使え使え」と言われた気がしたので、のろのろと再始動する感じのアカウント