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時の風景 ~Rosillas(ボリビア)より~

旅の最中に書き留めていたことを。

温度感やその時の香りを残すため、編集はあまりしていません。

それでもよければぜひ。

見たり聞いたりしたことに、僕の勝手な推測や解釈をのせていることがあります。

内容はあてにしないでね。

5/14~5/23 Rosillas


アンデス山脈沿い、ボリビアの片田舎。いや、ド田舎か。


5/13 夜  ~  5/14 早朝

バスでサンタクルスからタリハへ移動、長距離バスあるあるのガンガン寒すぎ冷房はなくてよかったが、何度閉めても窓がちょっと空いてしまうせいで髪の毛に砂ぼこりがめちゃくちゃまじる。バッサバサ。ちょうど砂のグランドでサッカーの試合した後みたい。わかる人には絶対わかる。


痩せた感じの土地が広がっているように見える。乾燥かな。
高度のせいかもしれないが、低木ばかりでまばら。サンタクルスのバタフライ園の展望台から見たジャングル感と全く違う。

後から調べたら標高約2000mだった。納得。
このエリアはワインが有名。列になった葡萄の木が時々見える。

そういえば19時頃出発して、24:30くらいに道端トイレ休憩があっただけで、朝までパーキングエリア的なものには全く止まっていない。



インカの人たちやスペイン人もこういうところを歩いたりしていたんだろうな。と想像してみたり。


そういえば、地図を見た感覚で東京ー仙台くらいな気がしたから、タリハまでなんで12時間もかかんねん、6-7時間やろー高速道路がなさげってことなのかー、と思っていたが、ちゃんと調べたら658kmあって、あ、東京ー島根でしたと。やはりメルカトル図法は罠である。

バス停、鍵のついた蛇口。水が貴重なのか。

土が赤い。めっちゃレンガになりそう。

バスステーションのタクシードライバーたち、ミニごはん屋さんの人たち、営業が少なくおっとり感が増した。田舎だからか。ぼったくられなさそうな雰囲気。

5/15

ボランティアをする代わりにタダで住み込みさせてもらう生活がスタート。

使われていなくて古びている家を使えるようにする段になって全然自分が使い物にならないことが悔しい。電気関係、水道関係、壁や天井。教えてもらえばできるだろうが、「このへんどうにかしといて」には応えられず、指示が必要なことが非常に残念。

5/16

窓拭きが専門になると楽ちんだった。
爆音で音楽かけながらの古民家リフォーム、そこそこ楽しい。が、やはり家というのは手入れをしないと大変なことになるんだなーと。

大人数でやればこんなにすぐ出来上がっていくのか、とそれもおもしろい。

アルゼンチン人のボランティア2人、その友達4人。ボリビアに来てアルゼンチン人に囲まれて働くことになるとは思っていなかった。

窓を拭きながら、こういうのもまえーに誰かが作ったのか、と思うと不思議な気分。どんな気持ちで誰が、どれくらいの時間と日々をかけて作っていったんだろうか、と。


自分たちできれいにして整えた場所でご飯食べたりするのもなんかいい。

最初は何もなかったダイニングキッチンでの団らんが幸せ。


5/17

掃除・リフォームはまじで上流から下流にやらないとだめだ。絶対全部計画立ててからやったほうが結果的に早く終わる。

Salvadorが指示をくれると非常にありがたい。何をするかわからないのが一番むずい。

ご飯食べて30分くらいおしゃべり、タバコ、で仕事。

リラックスはタバコとマテ茶。


スペイン語がほぼわからないことでちょっと悲しい気持ちになったり、シンプルに意思疎通しづらくて不便だったりする。そういうものである、と割り切れるので特段問題にはならないが、言葉で互いをわかりあっていくことが喜びにつながる自分だからどうにかして学ぼうとする。もちろん疲れることもある。

5/19

石壁づくり、ビール、ワイン、焚き火、満天の星空、鶏肉の丸焼き、ナス、ズッキーニ、パン、ワイン、犬、ワイン、星がすごい、パン、みんな、スペイン語の会話、星、ギター弾き語り、パパス(ジャガイモ)、ワイン、ピーマン、レタス、玉ねぎ、肉。

幸せすぎて幸せが何なのかわからない、生きててよかった。生まれてきてよかった。

5/20

ホストのEvaがいつもの何倍も忙しい週末を終えてまるで2週間たったみたいだ、と話していた。

体感時間、なのかな。仕事量でいったら2週間分、みたいな。

ボランティア仲間のSimonが教えてくれたビンチョル・ハンという哲学者を少し調べていったらおもしろすぎた。

日本での出版トークイベントをユーチューブでみてて、そこで話している編集の女性がなんとなく実家近くの小さな本屋の人に似てる気がして、同じ編集の人ということもあって奇跡の一致な気がして調べたが、別人っぽかった。


バンプ、いつもどおりのスピードでいったらどうなるんだろう、意外と平気なんじゃないか、と思ったりもして気になっていた。Lucasの運転で移動中、たまたま30-40kmくらいで突っ込んだらなかなか跳ね上がって頭天井にぶつかったりした。バンプなめることなかれ、、。


価値観は選択できる。間違ったと思ったら修正すればいい。


5/21

昨日の昼、残りのチキンを全部食べた。ひとりで食べたら満足、二人とかだと物足りない感じの量。LucasとSimonがまだ昼食べてないであろうことは推測できたけど、残りの量を見るともう朝食べ終わってるだろうと思って。

チキンが全部なくなったと知り悲しそうなLucasをみて、なんか気まずくなった。

嫌われたくなかったり、自己中だと思われたくない、こういうことをしたら嫌われるんじゃないか、とか思ってるのかもなあと考える。

でも、よくよく考えるとLucasは相当に好き勝手やっているけど、まったく嫌いになれないことを思い出す。そしてLucasは特に変わった様子もなく普通に料理して、おいしそうに昼食を食べていた。

いつも美しく完璧である必要はまったくない、と教えてもらった気分。


5/23

草刈りをして、人間がエネルギー使用量を増やしていく理由がわかる。楽をしたいから。

これを書いた時は「楽をしたい」が大きな理由だろうと思ったけど、今考えると「生産量が生死をわける」「腹いっぱい食いたい」みたいな状況も大いにありうる、むしろそっちかもしれないと思った。飢餓だけでなく、近くの村や国との争いもあっただろうし。

しかし、数千年のスパンでみると、それが逆に仇になる可能性もあるのだと。

刈った草は一箇所にまとめて自然に分解されるのを待つよりすべて燃やしてしまうのが楽だけど、それだと二酸化炭素を排出していたり、栄養になり得たものが失われているのかも。(全然知識がないので、栄養分のことはよくわからないけど。焼畑農業のこともあるし。)

さらに、機械を導入して一箇所にまとめる作業を楽にしたいが、機械化はその過程で大量のエネルギー消費を伴う。

ブルーシートで枯れ木をまとめて運ぶという工夫を導入して最高な気分。明らかに他のみんなも楽になる。大したことではないから引き合いに出すのは変かもしれないけど、お雇い外国人はこんな気持ちも味わっていたのかな。



解像度は低いけど、エネルギーのことが頭にあるのはこの本のおかげ。出発前に英治出版の方から頂いた。おもしろすぎて最初の1週間くらいで読み終わったけど、時々読み返して考える材料にさせてもらっている。
主観だけど、ただただおもしろいのでおすすめです。



5/24

映画を見るにしても、何をするにしても、やるって言われてから始まるまでの時間が自分の感覚からすると長すぎる。若干ストレス。


時間を無駄にしたくない、無為に過ごしたくない、そういう気持ちと、思い通りにいかないことへのもどかしさだろうか。

そもそも俺がせっかちなのもあるだろうし。まあ仕方ないんだけど、向こうが待たせてごめんね感をまったくもっていないことも相まって日本よりはうむむ、となる。





ここに書いていることは基本スマホのメモに残していたもの。

他にも親友からもらったノートに書いていること、書き出していないけど頭の中にあることもある。

今のところ印象に残っていないだけでいつか掘り起こされるかもしれないことたちはもっとたくさん存在している。

それがおもしろいな、と思う。人間とは。


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