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出来立ての赤福旨し伊勢参り

伊勢参りの時にはここに寄るのが定番だったのか、江戸時代に書かれた十返舎一九の東海道中膝栗毛にもこの麻吉旅館が出て来ます。登場人物はもちろん彌次さん、喜多さんですね。階段を降りて行くと本館と名月の間を繋ぐ空中の渡り廊下があったり、古めかしい土蔵があったりと不思議な雰囲気の空間が高低差を伴って存在しています。現在も旅館として営業しているようですが、実は江戸時代は普通の旅館ではなく古市遊郭にあるお茶屋さんでした。この古市遊郭の中には油屋騒動で有名なお茶屋「油屋」も実在していたそうです。昔から神社とお茶屋は相性がいいんですね。

食い初めの席に香添えし鉢の梅

息子の孫は二人共新年早々生まれているので食い初めはまだ肌寒い季節でした。でも料亭の床の間には既に綺麗に花をつけた梅の盆栽が置かれていました。

出来立ての赤福目当て伊勢参り
出来たての赤福旨し伊勢参り

伊勢参りが春の季語になります。昔から伊勢参りは神宮への参拝と言うより観光目当ての人が多かったようです。伊勢参りだけは通行手形が簡単に手に入ったこともあるようです。「立て」と「当て」で韻を踏んだのですが、「目当て」はやや説明的なので素直に「旨し」に替えて見ました。出来立ての赤福が目当てではないのと言う疑惑は読者の判断にお任せします。

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