お金があれば、強いチームは作れるの?(Jリーグクラブのチーム人件費と順位の相関関係)
こんにちは、皆さんいかがお過ごしでしょうか?
天気も良く、気温も徐々に上がり過ごしやすい日が続いています。「外に出たいな・・」という気持ちが湧いていますが、1日でもコロナ禍を終息するようにと、ほぼ家の中で過ごす毎日です。(早く外でパーッと、遊びたい・・)
さて、これからも何度も申し上げるかもしれないのですが、私が実名でTwitterやnoteをはじめた理由の一つが、「クラブの中の人間が発信することによって、日ごろ皆さまが目にすることのない各クラブの経営状況について知っていただきたかったため」です。
今回はタイトルにあるように、「Jリーグクラブのチーム人件費と順位の相関関係」について触れてみたいと思います。
1.お金があれば、強いチームは作れるの?(チーム人件費と順位の相関関係を調べてみた!)
Jリーグの各クラブの経営状況によると、各クラブの一番大きい支出が「チーム人件費」になります。だいたいどのクラブも支出の40%~50%がチーム人件費となります。
Jリーグクラブの経営はとても分かりやすくて、「たくさん稼ぐ(売り上げを多くする)→1円でも多くチーム人件費に回す→いい選手を獲得できる可能性を高くする→チームの成績を良くしていく」というビジネスです。
とすると、「チーム人件費と、順位に相関関係はあるのか?」という疑問が浮かんでくると思います。そこで今回は2017年と2018年のJ2リーグを参考にし、その相関関係を調べてみました。
私なりの結論としては、「相関関係はある」「J1経験の有無がポイント」ということになってくるのかなと思います。(※以下個人の見解です)
2.2018年 J2順位とチーム人件費の相関関係
・緩やかな相関関係あり。
・J1未経験クラブは1位~12位に3チーム、13位~22位に7チーム。
3.2017年 J2順位とチーム人件費の相関関係
・2018シーズンに比べ、顕著な相関関係あり。
・J1未経験クラブは1位~12位に1チーム、13位~22位に10チーム。(長崎は当時J1未経験クラブでした)
4.結論
今回は、「分析した母数が2つ(n=2)だったので、J2の1999年から調べればこの結論が変わるかもしれない」という前置きをした上で結論を申し上げると、
「順位とチーム人件費の相関関係はある。」
→ここを深堀りするといくつか言えると思っていて、まずは「チーム人件費が多いクラブは1~12位になりやすい。」もしくは「チーム人件費が多いクラブは、13位~22位になりにくい。」ということ。これは自分でも答えは出ておらず、日本語的にもおかしい表現ではあるのですが、「チーム人件費が多いクラブは上位へのなりやすさと、下位へのなりにくさ」という両方の傾向があるのではないかと思っています。
「J2の場合、J1経験の有無が順位に関係してくるのではないか。」
→特に2017年が顕著だったのですが、13位~22位はすべてJ1未経験のクラブです。想像の域を出ませんが、「経験豊富なチームは勝利へのノウハウをたくさんもっているから上位になりやすい?」「J1経験クラブは、実力のある選手も集まりやすい傾向にある?」というような仮説が立ってくるのではないかと思います。
ファジアーノ岡山がJ2に昇格したのが2009年。2009年から2019年の11シーズンで「J1未経験のJ2クラブが、J1に昇格した例」は、わずか3クラブのみ。(2013年徳島、2014年松本山雅、2017年長崎)
11シーズンでわずか3チーム。「J1未経験のJ2クラブが、J1に昇格する確率は3.6年に1クラブ」の計算となります。プレーオフ制度が出来ましたが、J1未経験クラブにはまだまだ高いJ1の壁。
「売上を増やせば、そしてチーム人件費を増やせば勝てるのか?」「J1に昇格するために、売上やチーム人件費以外に大事にしなければいけないものって何なんだろう・・?」ということを考えながら仕事に取り組んでいる毎日です。その何かは、J1に上がってから初めて分かるものなのかもしれません。
以上、最後までお読みいただき、ありがとうございました!(何度もチェックしたのですが、間違っている数字等があればご指摘いただけると大変助かります・・!)
次回は、「チーム人件費が増えれば強くなるのは分かったけど、じゃあ応援するJリーグクラブの売上を増やすにはどうすればいいの?」という点に触れてみたいと思います。
GWの長期休暇、なかなか外に出ることが出来ないのはツラいですが、この状況を早く終息させるために、STAY HOMEを一緒に頑張りましょう~!
内富 基陸
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