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双極性障害の寿命

なにやらおどろおどろしいタイトルですが、死亡率が高いので気を付けることが多いよというお話。

双極性障害。つまりは昔で言うところの躁うつ病。
これは脳の病気です。心臓とか肝臓の病気と同様に脳の病気なので、心がけ次第で治るようなものではありません。気合で心臓病が治ることはないですから(笑)

双極性障害はⅠ型とⅡ型があります。
Ⅰ型は躁状態の時の症状が激しく、大きな借金をしたり、危険行為をしたりが目立ちます。なので入院することもあり。
Ⅱ型は躁状態といっても軽躁で、殆どが鬱期。九割の期間が鬱期で、躁も軽いので自分では気づきにくい。

双極性障害の再発率は高く、寛解しても服薬をやめると五年以内に再発するようなので、言ってしまえば一生内服が必要みたいです。一生と聞くとうんざりしてしまいますが、糖尿病や高血圧と同じと考えてあまり深刻にならないほうが良さそう。

主題の寿命ですが、健康な人に比べると統計的には20年短いそうです。
その理由を三つあげます。

①自殺率が高い
一般の人に比べると15~20倍の自殺率である。
また、鬱病に比べても死にたい気持ちが1.3倍高い。自殺未遂が1.7倍。自殺を達成してしまう人が3倍。
鬱病は回復期に自殺率が上がりますが、双極性障害は鬱期から躁期になる時に自殺率があがる。ここいらは同じ原理で、鬱期では自殺する気力も体力もなかったのが、躁に向かうにつれて行動力が出て来るから。

②生活習慣病になりやすい
血管を傷つける病気になりやすい。代表的なのが高血圧、糖尿病、高コレステロール。他には眼の病気(糖尿病から)、睡眠時無呼吸症候群(過食による肥満などから)。心筋梗塞や脳卒中のリスクも2~3倍高いと言われる。

まず前提として自分の身体を大事にする生活習慣どころではない。過食とリバースを繰り返したり、拒食になったり。食事を作る気力がないので、塩分や脂肪分の高い弁当を食べる。お菓子を食事代わりにする。
鬱期には何もする気力がない。特に入浴をするのにとてつもない気力を要する。一日の大半を眠って過ごすので運動をしない、というか出来ない。
生活習慣病まっしぐらなのも当然だろう。

③薬の副作用
治療薬の副作用に、腎機能障害、糖尿病などがある(薬の種類により変わる)

なので、内科的にも定期的に採血などをしてモニターする必要性がある。
これらを放置していると、統計的に20年短い寿命となるわけだ。
ただでさえ、脳の病気で辛いのに、それに色んなものが付随してくる。全く厄介だこと。

私は、最初は鬱病と診断されて、中年になってから双極性障害Ⅱ型と診断名が変わったクチ。これは多いらしい。なにせ躁状態が軽くて全体の一割なので、長い期間を診ていないと気づきにくい。
前の主治医の時は、通院期間も長く、また診療時間も30分以上とっていたので気付いたようだ。とても素晴らしいドクターだったのだけど、なにせ通院するのに遠かった。鬱状態で長時間車を運転して通うので危険が伴う。なので近場の病院に変わった。
今はまあ、一般的な三分診療だけど特に不満もない。隣の診察室が内科なので平行して診てもらえるのも楽だし。
そして案の定、糖尿病、高コレ、高血圧のトリプルで、ボーダーラインを少し越していて、最も軽い薬を処方された。眼科にも通院中。

こんな感じで何ごともなく健康で一生を終える人に比べると20年寿命が短いらしいが、自殺率が高いこと以外は特殊ではないと思う。誰でも年をとれば生活習慣病の一つや二つ発症するものだし。

脳の病気なので、気合や努力でどうのこうのなるものではない。自分に合う薬が見つかるまで主治医によく相談して、薬が決まれば飲み忘れしないように気を付けて、受診も続けること。内科受診もすること。
これらが上手くいけば、平均寿命くらいは行けるでしょ(笑)

若い頃に発症して、ずーーーーっと苦労して辛い思いをしてきたのです。理想的と言われる「低め安定」を保っているのなら、そこでしゃーないと思えるかですね。
軽躁状態の時の、頭がスッキリ冴えて、色々な事をそつなくこなせるのが理想と思ってしまうと、九割鬱期の気力のなさにうんざりしてしまう。つまらない人生だと思ってしまう。
とはいえ、他人と比べても仕方ないわけで。平均寿命まで残り30年なわけで。だったら小さな幸せを見つけて、日々を大切に生きるほうがいいよね、と思うわけです。


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