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更年期について語ろうじゃないか

更年期について3年前に書いた私の記事が2020年の今も読まれ続けています。

3年前の記事が読まれ続けているということは、「3年前から社会の状況が変わっていない」ということではないかと思います。

昨年くらいから世間は少し「生理ブーム」で、生理をテーマにしたマンガが注目されたり生理にフォーカスした百貨店の売り場が世間を賑わせたり、若手起業家が生理に着目した製品を開発したりユニチャームや花王の生理キャンペーンが注目されたりしました。

ようやくかよ…というのが私の感想です。太古の昔から女性にあった生理が西暦も2020年になろうという今、ようやく人々の口に上り始めたのです。

しかしこの生理ブームを横目で見ながら私は思っていたのです。

「私、生理ないしな…」

3年前に閉経を迎えた私は生理がないので、乗ろうと思ってももうブームには乗れません。しかし「更年期ブーム」はこれからも来そうにないのです。なぜならそこには「毎月の経血」や「生理ナプキン」といったわかりやすい現象やプロダクトがないからです。マーケットに乗るものがなければブームにもなりにくいのは世の常です。

更年期はしばらく前までは「恥ずべきもの」だったそうです。私の先輩世代の幾人もの女性にそう聞きました。それどころか、世間ではまだまだ閉経や更年期は口にするのがタブーであるようで、「私もう閉経来たから生理ないんですよねー」などと話そうものなら「そんなこと言うものじゃない」とご注進くださる女性がたくさんいます。

わかるんです。生理がなくなることを「女じゃなくなる」と表現した時代もあったのです。あった、と言いましたが、今でもあるのです。嫌ですか? 

女じゃなくなるならそれで上等!

と、私は思うに至りました。

これまで私たちは、女性であるということで不利を強いられることが多かった。初潮が始まってからかわれたり。愛や性のなんたるかも知らないうちに性交をして望まぬ妊娠をしたり。性を商品にされたり。産む機械と言われたり。つらい不妊治療をしたり。石女と言われたり。

そんなあれこれから解放されるのです。もう、女であることは義務ではないのです。

女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が急激に減少することでホルモンのバランスが崩れ、心身にさまざまな不調があらわれるのが更年期の症状です。障害といわなければならないほど症状のひどい人もいます。

私はホットフラッシュは収まったものの、未だに気分の急な上昇・下降や動悸は収まっておらず専門医に通って薬を処方してもらっています。統計によると、日本人女性の更年期症状で多いのは肩こりや疲れやすいといった症状らしく、私がここ3年ばかり毎日ぐったりと過ごしているのは「トシのせい」ではなく「更年期のせい」なのかもしれません。

でも、先輩方は「必ず抜けるときが来る」と言います。いつの間にか、終わっているそうです。その時に、男でも女でもない「新しい人類」に生まれ変わっているのだとしたら、楽しみで仕方ありません。

更年期は生理以上に個人差が大きいと言います。だからこそ、更年期について語りませんか。ネットを見ても通り一遍のことしか書いていないじゃないですか。

私はこうだ。あなたはこうだ。あの人はこうだ。さらにあの人はこうだ。そういう「個の事例」を集めることでしか更年期を理解し、乗り切ることはできないような気がしています。

そして、それが、これから更年期を迎える後輩世代たちの道筋を照らすことであり、既に更年期を迎えた私たちのできる次世代への貢献でもあると思うのです。

イラスト:加藤龍勇(スタジオぶらぶら

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