季節花人 | Shoko Kondo

植物写真家。 移ろう季節の植物と庭。アンティーク、レトロなカフェや建築への時間旅。写真…

季節花人 | Shoko Kondo

植物写真家。 移ろう季節の植物と庭。アンティーク、レトロなカフェや建築への時間旅。写真に添えた短いストーリー。http://www.kisetsukajin.com

マガジン

  • 時間旅行

    アンティーク、珈琲、レトロな喫茶店、クラシック建築など。心地よい時間の過ごし方、古くて美しきものへの時間旅行

  • セカンドハウス

    昭和の別荘リノベーション記録。

  • 花譜

    四季の花や植物との出会い。古道具と花、写真で綴る短いエッセイ。

  • フィルム写真

    フィルムカメラLeicaM4で撮影したモノクロ&カラー写真及び私のカメラ考。

最近の記事

セカンドハウス 『ヴィンテージ椅子と音』

3月末から父、母に続き今度は飼い猫の入院騒ぎ。 同時並行で仕事とセカンドハウスの準備、という大きな環境の変化を受け入れつつの心労が重なり、半ば暫く人生を休みたくなってしまった。 しかしお陰様で、今は猫も危機的状況からカムバック。 そうしている間に、庭のヒメシャラが一気に芽吹き始め、『緑の森』に替わった。 イギリスヴィンテージG-PLANの椅子をようやく搬入。 珈琲を飲みながら『庭を見ながら何もしないをする』のがここでの愉しみだ。 椅子は実際に座ってみないと分からないので、

    • セカンドハウス 『静寂の庭劇場』

      セカンドハウスの引き渡しが無事終わり、すぐに4月を迎えた。 庭のヒメシャラも芽吹き始め、野鳥のさえずりだけが長閑にこだましている。 本日は、手を入れる前の庭の話。 1月の内覧時は、ヒメシャラの大木の落ち葉の間に、日本水仙がポツポツと。その後2月から3月は純白の猫水仙(白房水仙)から黄色のラッパ水仙に自然と交代していった。 庭の隅には、鹿のフンと、木肌が剥げた幹あり。 暫くここの来訪者は、動物ぐらいだったのだろう。 前回も話したように、このフロントガーデンは暫く植栽はせず、

      • セカンドハウス プロローグ 『イサムの家』

        人生には、いくつかの大きな転換期が訪れる。 若い頃は、夢や希望に向かって飛び込み台に上り、躊躇なく先の見えない深い水の底を目刺して飛び込んでゆくものだ。 半世紀以上歳を重ねるとこれまでの経験からその怖さや痛みも想像でき、それが逆に『あだ』となり、熟慮を重ねた上に踏みとどまることが多くなる。何らかしらの大きな『きっかけ』がないと動けないものだ。 昨年の父の死を目の当たりにして、健康寿命を考えるようになった。 『あとどれくらい何ができるか、やり残したことはないか。。。』 植

        • 京都 蚤の市とレトロな旅

          久々の京都です。 旅は、身軽にスマートに。 小さいカメラを鞄に入れて手荷物の少ない日帰りが好きだ。 関東からだと朝早いことだけ目を瞑れば、午前9時には京都駅に到着。 今回は、京都通の友人のアテンドによる『平安蚤の市』をメインにレトロな旅を企画した。 地下鉄メインの東京都は違い、京都を効率よく巡るには『バス』が最適だそうで、まず到着したら『地下鉄・バス一日券1100円』を購入するようにとの指示があった。 しょっぱなから新幹線の出口を間違え、バス乗り場まで地下通路で迷った。し

        セカンドハウス 『ヴィンテージ椅子と音』

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        • セカンドハウス
          3本
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          39本
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          80本
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          33本

        記事

          春の兆し

          久々のnoteになります。 昨年末から今月にかけて、言葉にならない位の不運なことが連続。 一度立ち直りかけた気持ちもすっかりへし折られて、冬空を見上げてはため息ばかり。 冬の裸木もそれはそれで美しいと感じる。 水面に映る揺れる枝先も。 ダメな時はあがいてもダメ。時を待つしかないことを学ぶ。 目に映る自然の映像だけが真実。 3ヶ月の間、花や写真にも気持ちが離れてしまった。 カメラも断捨離しようかな、とまで考えていた。 何かを発信する力もすっかり無くなって、SNSも辞めたく

          それでも春はやって来る

          明けましておめでとうございます。 あっという間に本日、2024年元旦。 この夢や希望を語るべき晴れやかな日に申し訳けないが、これをまず語らねば新しい一歩を踏み出せないので、記しておきたいと思う。 実は約2ヶ月間、noteの投稿ができない環境に置かれていた。 父が昨年11月に急病で入院し、見舞いと在宅看護と高齢の母のサポートで、先の見えないジェットコースターに乗っているようだった。 不安と寝不足と疲れのまま、仕事も十分できず、いつしか季節は秋から冬と過ぎて行った。 紅葉が、

          それでも春はやって来る

          お庭探訪 山下公園、港の見える丘公園 

          最近、想定外の事態に見舞われ、その収集に追われて疲れもピーク。 それでも、リビングのカーテンを開けて雨の朝、しっとりとしたバルコニーの植物を見ると心が安らぐし、晴れた日は小さなベンチでハンドドリップの珈琲をいただくと、短い時間でも自分に帰れる。 植物に囲まれていれば幸せなのだ。 改めて、自分の心を整えてくれる庭の大事さを知る。 さて、今日は、気分転換も兼ねて、最近の庭づくりで参考にしている場所のお話をしようと思う。 山下公園付近の植栽と港の見える丘公園のローズガーデン。 こ

          お庭探訪 山下公園、港の見える丘公園 

          楕円の曲線美 松濤美術館

          休みなくその『谷』に多くの人が往来し、空気も澱んだこの場所を通過することを考えただけで気分が重くなる。 半分息を止めたかのような感じで、勢いつけて人の海を掻き分けながら交差点を渡る。 風渡る郊外での仕事や暮らしが長くなると、若い頃は『胸躍る街』も今となっては『とにかくこの場から離れたい』という場所になってしまった。 『人混み嫌だなあ、遠いな』と思いながらも年に何度かはコンサートやギャラリーに訪れていた『東急Bunkamura』も改修工事に入り、時代の移り変わりを感じる。

          楕円の曲線美 松濤美術館

          初秋の愉しみ

          明け方に窓を少し開けてみる。 冷たい外気を感じることができたら、窓を開けたまままた浅い眠りにつく。 この安堵感を長い間待っていた。 今年の夏は暑すぎて夏に咲く花も少なかったように思う。 ようやく適温になった今、復活して秋の花に混じって咲き続けている。 植物も暑さの緊張感からようやく解放されたのであろうか。 芙蓉は夏の花の一つ。 芙蓉の一日は忙しい。朝ふわっと咲いて、お昼にピンクに染まり、夕方ムギュッと閉じて落ちる。このピンクの『茶巾絞り』が翌朝地面に転がっている。このコロ

          初秋の草花

          台風が暖まりすぎた空気を徐々に吹き飛ばし、ようやく少し暑さからから開放されるようになってきた。 特に今年はあの逃げられない暑さを体験したからこそ、今が涼しいと思うだけなのかもしれないが、やっと休日にエアコンの部屋から出て活動する意欲も湧いてきて、初秋のありがたさを感じている。 さて、外の草花といえば、夏の名残の中に少しづつ秋の草花が混じり始めている。 9月はいい。 秋らしいコスモスや紅葉に行く前の、夏から秋へと向かう、少し寂しいこの感じの季節が私は好きだ。 花の仕事やお稽

          鎌倉古民家店めぐり 由比ヶ浜から長谷

          今年になって観光客の増えすぎた鎌倉にすっかり足が遠退いていたが、そろそろ美味しいお蕎麦が食べたくなってきたので、先日友人と出掛けた。 藤沢方面からは平日でも海辺は混雑するので、鎌倉山越えが快適。 いつもの通り市役所の横に出て、予定していたコインパーキングの前まで行ったところで、ああ。。 駐車場だったところにマンションが建設され始めていた。 鎌倉は、公共交通機関を推奨しており、大きいパーキングが少ない。 宅地転用の数台止められる小さなパーキングが点在。 その後あちこち見てみ

          鎌倉古民家店めぐり 由比ヶ浜から長谷

          酷暑の花の愉しみ

          一体いつまで続くのだろう。 30℃少し超くらいならそんなに暑くないと感じる位、今年は極めて暑い夏。そして暑さよりも湿度。鉢植えにキノコまで生えていた。 少しだけ陽が短く傾いてきたことことが一途の望み。 本当に早くやり過ごしたいもの。 本日はそんな酷暑の今年、植物たちとどう暮らしているかのご報告。 まず、バルコニーは、例年通り7月半ばから遮光カーテンを取り付けた。 お陰で、日陰を好む植物とエケベリアたちはなんとか被害を免れた。 その他の丈夫そうな多肉植物は、スパルタ方式

          酷暑の花の愉しみ

          短い夏の時間旅行 NIKKO KANAYA HOTEL

          暑中お見舞い申し上げます。 さて、今年も日光金谷ホテルにてランチをいただいてきました。 昨年の記事はこちら。 前回は、車移動でしたが、今回は電車利用です。 しかも、神奈川西部より日光日帰り。 一体、なんの電車に乗ればいいのやらと調べたら、東武特急、JR新幹線、JR特急と3つの方法があります。余計に迷ってしまいました。 そして今回は時間の制約があり、東武特急を選択しました。料金も一番安かったと思います。 東武特急乗り換えの北千住駅へ行くために、上野から途中初めての常磐線に乗

          短い夏の時間旅行 NIKKO KANAYA HOTEL

          アンティークと古道具の棚

          連続猛暑日。 海辺の景勝地で屋外作業して、休日は通勤なのに観光客の渋滞に並ぶ。 この夏いくつか行きたい展覧会あれど、都内の人混みも暑さも流石に耐えられない。そして首肩も痛めてリハビリ中となれば、休日は引きこもるに限る。 だったら家の中をできるだけ居心地良くしようと、断捨離も兼ねて、書棚から本を撤去し、収集した古道具やアンティークでディスプレイした。 実はこの『ディスプレイ』が愉しいのだ。 素材で並べる、古道具の目的でまとめる、雰囲気で合わせる、など。 『ああでもない、こう

          アンティークと古道具の棚

          梅雨の植物たち タシロラン

          いよいよ梅雨明け間近。 梅雨入り当初は気温がまだ高くなかったので、雨に濡れた植物を観察するのが一つの愉しみだった。 雨に濡れた美しい葉っぱ、水滴の付いた蜘蛛の巣、あれもこれも綺麗だなと夢中になって雨上がりに庭に踏み入って撮影&観察していたら、『ブヨ』と『アシナガバチ』に刺されてかなりのショックを受けた。 アシナガバチに至っては、刺されて6時間で腫れが引いてやれやれ一安心。しかし、何故か1週間後にまた腫れがぶり返し、さらに3日も続いた。 やはり、自然は優しいようで、厳しいものだ

          梅雨の植物たち タシロラン

          植物のキモチ 梅雨の多肉植物

          梅雨入り直後は雨が沢山降っていたのに、ここ1週間は、空梅雨。 薄雲から覗くお日様と少しの雨、ただただ蒸し暑い毎日。 こんな気候は、人間も体調不良を訴える人が多いのだから、紫陽花やアガパンサスなどの旬の植物以外の植物たちは、さぞ不快に感じているのに違いない。 さて、一年ほど前から、多肉植物をいくつか育て始めている。 冬の寒さ対策でまず失敗をしてしまったことは、一つの経験値となった。 そして迎えた梅雨と時折さすような夏の日差し。 一体、何処に置くのが一番なんだろうね。 できれ

          植物のキモチ 梅雨の多肉植物