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【こんな映画でした】544.[地獄に堕ちた勇者ども]

2020年 6月17日 (水曜) [地獄に堕ちた勇者ども](1969年 LA CADUTA DEGLI DEI THE DAMNED イタリア/西ドイツ/スイス 155分)

 こんな映画だったのか、と。基本的にはナチスを描いたものであり、突撃隊のメンバーの腐敗・堕落の体たらくが延々と描写され、そのあげくに国防軍によって皆殺しにされるという(裏もあるが)、ナチス内部での権力争いも描写される。

 クルップ一族がモデルとされているが、本当にそのような暗躍・醜聞があったのだろうか。とまれ1933年のドイツが舞台である。ルキノ・ヴィスコンティ監督は、特典映像で頃合いとしてこのような映画を作るべき時だったと言っている。そしてこの歴史的事実を知らない人に知らしめ、これを批判的に見る目を持ってもらいたいと述べている。ことはナチス・ナチズムだけではない。類似のことは、あちこちでいつの時代にも起こり得ることで、形は映画であっても知っておくことが大事だ。

 ソフィ役のイングリッド・チューリンはベルイマンの映画で観ている女優。見事なものだ。ヘルムート・バーガーは、少女を好む性癖があったように描かれている。満たされない母親からの愛情の問題があったようだ。ギュンター役は、何とあのルノー・ベルレーであった。懐かしい。映画[さらば夏の日]である。

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