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週刊外国人就労関連ニュースまとめ(20.6.21-20.6.27)

報道内容が気になったらせめてネタ元ひとつぶんは遡ってみるマンこと俺、今週は「人身売買に関する年次報告書」PDFを見に行ったら全570ページだったので、よっしゃ、今日のところはこれぐらいで勘弁しといたらあ。と日本の記述(5ページ)だけ読んですごすご帰ってきました(めだか師匠リスペクト)。

人身売買問題を担当するリッチモンド大使は記者会見で、「技能実習制度の中での強制労働は長年懸念されてきたことで、日本政府はこの問題にもっと取り組むことができるはずだ」と指摘した。

ネットでの反応を見ていると、見出しにもある「格下げ」が刺さった向きが多いようでしたが、そもそもランク推移は下表の通り「戻った」ものなので。(グラフの出典は2012年版2020年版。もう1年さかのぼった2004年はTier 2 Watch Listという、さらに下のランク)

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ちなみに2018年、初めてTier 1に格付けされたときは
“国際組織犯罪防止条約(TOC条約)の批准、外国人技能実習制度での人権違反監視強化、内閣府がJKビジネス対策に乗り出したこと等”
が評価されたそうですが、たしかにね、そのあと今日まで何をやりましたか、と問われると答えに詰まるところはある。
参考までに2年前の同じトピックを伝えたテキストを。

■だってさー(急にタメぐち)人権ってキーワードで読みなおすべき記事、毎週枚挙にいとまがないじゃない?

■話はちょっとだけ違うんですけど

北海道の東川町って、外国人を受け入れる自治体のスタンスとしては先駆的ですばらしい。という定評あるところなのですが、このニュース、そこでさえ「日本語を教える」専門性への敬意に欠けていた、という意味なんですよ。
ことさら咎め立てするべきだとも思いませんよ、思いませんけど、そういうとこやぞ。と言いたくはなる。

■というわけで、もう直接的に言わなければ伝わらない時代ってことなのかもしれません。

外国人実習生に対するひどい扱いは、かつては母国まで伝わるのに時間がかかりました。しかし、2010年ごろからインターネットや通信アプリの普及で情報伝達の速度が格段に上がりました。...今のような人権侵害を続けていたら、「ジャパン・リスク」とも言える日本の悪評はベトナムやアジア諸国など世界にあっという間に伝わっていきます。

第一報の感想が「収容所から刑務所に居住地が変わるって理解で合ってますか。それでオツトメ終えたらどうなるんです?」だった俺、「オツトメ終えたらもう一度入管に戻る」ルートになるかも。って読んで絶句ですよ絶句。

筆者が聞き取りした技能実習生の多くは、各都道府県の最低賃金水準の給与で働いていることが多かった。賞与をもらったことのあるという技能実習生に筆者はほとんど会ったことがない

■もちろん悪いニュースばかりではないのですが

ただ、良いニュースのほうが少ないんです実際。今週だとかろうじて上記3件が該当するかな、ってぐらい。

■というわけで、本連載でとりあげるトピックに近いような遠いような、でもまあ読み応えあったから紹介しておこう。って思った記事を最後に。

福祉排外主義とは、手短に述べれば「われわれの税金をマイノリティの生活保障や支援に使うな」「もし使うとするならば『お情け』であることを自覚させ、服従させろ」という主張のことである。
アンダーコロナの日本社会では、外国人、朝鮮学校附属幼稚園の子どもたち、留学生が次々と福祉排外主義の「標的」となり続けている。そして、標的となるたびに、マイノリティへの心無い言葉やストレートな差別発言がマスメディアでもソーシャルメディア上でも飛び交い、組織的な人種差別と福祉排外主義を正当化していく。


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