夏が始まった日の夜に起こった世にも奇妙な話をしてもいいですか？
昨日のことです。

最近印度カリー子さんの「ひとりぶんのスパイスカレー」を読んで、すっかりひとりぶんのスパイスカレーを作ることにハマっていて。

なんせ印度カリー子さん、東大院生の23歳という賢さと若さを兼ね備えた無敵なスペックの上に可愛いんですよ。その上スパイス変態。好き。

そのカリー子さん直伝（というか本に載ってる）のグレイビーというスパイスカレーの素が使いやすくて、簡単に作れて、本当にカレー作りが楽しい。ただね、ひとつ言うと玉ねぎとトマトのみじん切りがめんどくさい。
我が家の狭小ワンルームの狭小キッチンに置く、狭小まな板の上でみじん切りが嫌。もう、これはあれやな。噂のあのマスィーンを投入やな。

「ぶんぶんチョッパー！！！」（ドラえもんの声で）

適当に切った野菜をぶっこんでぶんぶんするだけでみじん切りができてしまうという“文明の利器”をようやく手にいれたので、フォーナイン片手に調子よく玉ねぎをぶんぶん、トマトをぶんぶん。グレイビーを倍量仕込んでたわけですよ。

その日はすでにカリー子さんレシピの「だし醤油クミン枝豆」↓↓↓

・・・をつまんでいたし、カレーを食べるつもりは最初からなかった。グレイビーをキレイに5等分して、1人前ずつラップに包んで冷凍庫に収納したところまでは何となく覚えてる。
部屋中に充満するスパイスの香りと、ぶんぶんチョッパーという世紀の大発明品を手に入れた余韻でフォーナインが余分に進んでしまった。
ほんとチョットした出来心ですぐ余分に進むから油断ならない。
500mlのフォーナインを1日1本までというマイルールを設けているのだけれど、また禁断の2本目にいってしまったらしい。2本目いったら必ず後悔することになるということはもう20回くらい検証済である。
（気のせいかもしれないので、そこはわりと念には念をという心意気でやらせてもらってる。）

そしてたぶん21回目の検証をしたのだろう。
案の定途中から記憶がない。
なんならお風呂に入った記憶もない。

そして翌日。
ほらね、二日酔い気味。
こんなときこそカレーですよ。幸い私は瞬時にスパイスカレーが仕上がるターメリックたっぷりのグレイビーを仕込み済みである。あれさえあれば10分でカレーを補給出来て二日酔いが治るのである。

よし！カレーつくるぞー！！と冷蔵庫を開けたら、小さめのお茶碗に入ってぴっちりラップされた1人分の海老カレーがおる。
なんで？
え？私カレー作ってないよね？
昨日はグレイビーを作って小分けにして冷凍にしたところで終わってるはず。（記憶によると）

おそるおそるそのカレーを取り出して味見してみる。
うっっまっ！
最後に調整する塩加減も完璧。
入れるつもりで買っておいたミックスビーンズもちゃんと入ってる。
中途半端に残ってたヨーグルトの空き容器が洗われてプラゴミの袋に入ってるのでベースにヨーグルト入れたらしい。仕上げにオールスパイスとかいれたのかな？ほんのり甘い香りもする。

あとカレーを作ったフライパンも食器もぜんぶ洗ってある。
シンクに水滴の跡がない所を見ると最後アルコールスプレーで拭きあげたっぽい。
誰？こわっ！！！
我が家には家事が得意な小人さんか妖精さんがいるのだろうか？

お酒飲んだら人が変わるっていうじゃない？
私はどうやら素がガサツな横着者なのに、酔いが振り切れると几帳面になるらしい。

でも・・・やっぱり・・・飲み過ぎは良くないよ。
最近コロナ禍で急増している「巣ごもりアルコール依存症」。
問題になっているストロング缶500ml2本に含まれるアルコール量はテキーラショットの3.75杯に匹敵するそうです。そりゃ記憶なくなるわ。
いくら美味しいカレーを作って後片付けまでしてくれる妖精さんが現れるとしても飲み過ぎは良くない。

夏が始まった日の夜に起こった世にも奇妙な物語。
一番こわいのは自分。という話でした。

追伸：ちなみに二日酔いにならない程度の中途半端な酔いだと最大限に適当。シンクはびちゃびちゃで寝ちゃう。それはそれでどうなん。