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ザルだった。

冬場は水が冷たいし手も荒れるのでゴム手袋をして洗い物をしている。
それがなぜか最近すぐに穴が開くのだ。
そんなに手荒な扱いはしていないはずなのにいつの間にやら水が染みて来る。

安物の手袋だったのかなと思いきや、犯人はザルだった。

長年愛用してきたステンレス製のザル。
少々カタチが歪んで、網を形成している細いワイヤーがピロピロと突き出していたのだ。

そのワイヤーの先が人差し指にプスーと深く突き刺さって、その痛みと出血でやっと奴の犯行に気がついたのだった。

ザルとしての機能は何ら損なわれていないが毎回手袋に穴を開け、指を負傷させられるのはたまらない。
早速ア○ゾンで送料無料の大小三点セットを注文して、私の指を負傷させた奴には燃えないごみの日に出て行ってもらった。

注文した三点セットはすぐに届いたのだがその梱包状態に驚いた。

ステンレス製とは言え、ザルである。
かなり繊細な構造の造形物だと思うのだが、そいつが入って来たのはなんと紙袋であった。しかも緩衝材さえ入っていない。

確かに単価が安いものではある。
配送業者を信頼しているのか、それにしてもせめて箱型の梱包材にするべきではないのか。

いや、いつもならほんのちっちゃな物でも緩衝材を入れた大層な段ボールの箱で
「ちょっと過剰ではないのか」
と思うくらいの徹底した品質管理、というイメージだったのだが、なんだこれは。
いったいどういうことなんだ

こんな梱包をしているようでは、品質管理は
 

…そうか、ザルであった。


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