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パンク修理できますか?

経験値を過大評価してはいけないと思ったばかりなのにまたやってしまった。

パンク修理を引き受けた

知り合いに自転車のパンク修理を頼まれて、というか「パンクの出張修理してくれるところ知らないか」と尋ねられて、パンク修理くらい簡単やと、つい言ってしまった手前、私がそれをせざるを得ないはめになったのだが、まぁそれはいい。

私のパンク修理能力

子供の自転車、一輪車から妻のママチャリ私のバイクまで、家の物ならば何度もパンク修理や、タイヤ交換もしている。
パンク修理など簡単だというセリフはこの経験から出たものだった。

しかし自転車販売店でもなければパンク修理業者でもないのでそう頻繁にパンクに出くわすわけもない。ここ1、2年は自転車のパンク修理などしていなかった。

私には経験がある

確か修理道具や修理に必要なパッチやゴムノリなんかも物置に入っていたはずだが、レンチやドライバーなど必要になるかもしれない道具類を選抜して持って行くのも面倒だし、パンクした自転車を家まで運んでくるのも面倒だな。

しかし結局、我が家のミニバンに押し込むようにして積んで帰って来たのだった。

いつでも良いからと言われていたのでしばらくそのまま放っておくつもりだったが家の自転車置き場がなんとも窮屈で。
邪魔者にはさっさと出て行ってもらおうと修理に取りかかった。

いざ、修理だ

すっかり空気が抜けてベコベコになっている前輪タイヤの端から自転車用のタイヤレバーを差し込んで、リムから手前に引っ張り出す。
久しぶりなのでなかなかうまいこと外れてくれない。2本のタイヤレバーと指を隙間に入れて、少々痛い思いをしながらだがなんとか手前に外すことができ、その隙間からタイヤチューブを引きずり出した。

その時になってタイヤもタイヤチューブもわりと新しくて綺麗なことに気がついた。
「あれ、もしかして…」

タイヤ外周やチューブを一通り眺め回したがパンクの原因になりそうな傷もこれといって見当たらない。
「やってしまったかも」

見落としていた原因

エアバルブのネジを外して芯の部分を取り出した。いわゆる「虫ゴム」の劣化なのか。
見た目ではなんとも判断できないが。とりあえず新しいもの(と言っても道具箱の中でしばらく寝ていたものだが)と交換してその状態で少し空気を入れてみる。
どこからも漏れている様子はない。

おそらくこれだろう。

ここまで来てようやく勘のようなものを取り戻してきた。

現役と経験者

ちょくちょくやっているときは、どこが原因?何が悪い?すぐにピンときてさっさと作業を片付けていたが、長いことしていないとどうも段取りが悪いというか、スムーズに進めない。

自転車のタイヤがへこんでいたら、明らかにパンクしているとわかっているのでなければ、まずは空気を入れてみる。そして虫ゴムを換えてみる。それからパンクを疑う。

それから生まれる先入観

経験のある人ならおそらくそんな手順じゃなかろうかと思うのだが、「パンクをしている」という先入観から入ってしまった為に、車で運んで、タイヤを外して、というしなくてもよい余計な作業をわざわざしていたのだ。

まぁさらに言えば家で使っている自転車たちは、虫ゴムの劣化による空気抜けを防ぐために、バルブの芯を虫ゴムではなくパッキン式のものにすべて交換していた。なので虫ゴムの劣化ということがすっかりと頭から抜け落ちていた。

しかもしかも先日ミニバンのタイヤにぶっとい金属片が刺さってパンクしたのを修理したところだったので、もう私の頭は「パンク確定」になっていたらしい。

経験値の過大評価と先入観

自分の経験値を過信してよく考えもせずなんとなく進んでしまうとこういうことだ。 
それと「パンクしている」という先入観。

基本通りにしていたならば、わざわざ車で運んだり、タイヤを外してみたりという面倒臭いこともせずに、空気入れと虫ゴムの切れ端だけで簡単に解決していただろう。

経験があるということへの過大評価があると、そこから発生する先入観で、実際のその場での判断を誤ってしまうということが起きてしまう。
事に当たっては経験があるということを大いに活用しながらも、そればかりに頼りすぎない事を覚えておこう。

結局その自転車は虫ゴムの交換で修理完了となった。



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