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牛乳豆乳

牛乳をやめて豆乳にしようと長女が言い出した。

私達が子どもの頃は健康的な食品の代名詞のようであった牛乳。
残さず飲まなければ給食のあとの掃除の時間も牛乳瓶を前に座らされたままで、椅子を上げられた机たちとともに後ろへ寄せられ、床の掃除のあとにまた戻されるという拷問のようなことが平気で行われていたあの牛乳も、最近の健康食品ブームの波により、そこまでの威厳をすっかり無くしている。

「ガゼイン」がなんやらとか、「カルシウムが吸収されない」とか、「日本人には消化できない」とか、様々な意見が賛否両論渦巻く中、ついに我が家にまでその影響が来たようだ。

栄養成分表示などをしげしげと眺めて、あーだこーだ言いつつ

「豆乳はバナナ味とかだったらエエけどそのままは美味しくないしな」

しかしバナナ味とかの奴らには当然「砂糖」などの「甘味料」が入っているから、それは受け入れられない「健康志向」というよりも「ダイエット志向」の次女が反論する。

「味はだんだん慣れるよ」
「脂肪が少ないし、植物性タンパク質!」と、「健康促進派」の長女。

「牛乳も値上がりしてるしね」
と、「経済至上主義」の妻。


私はといえば
「牛乳」と「豆乳」はどっちが?
とかじゃなくて単純に別のものだと思うのだが、そういう余計な口は挟まずにおこう。


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