いつの間に鉄塔が･･･ おや、誰かいる。こっちを見てるぞ。うわっ！銃　
　　を構えた。ふーッ。あぶないところだった。窓ガラスは粉々だ。あ、そ
　　うだ。ジャンヌは無事か。

大丈夫です、王様。
なんというラッキーレディーじゃ。
でも、こっちの方が。
おー。粉々じゃ。王妃が嘆くぞ。
何ですの？
将軍吉宗からの贈り物で、赤べこというらしい。ペコペコ頷くのが愛らしいと言うとった。
まるで、血の花びらみたいね。

　　まずい！王妃の声だ。

貴方あなた。ルイ！ルイ！もうお昼よ。
お、おう。マリーか。

　　ほ。夢か。枕元の赤べこの頭も無事にゆれている。

起きて！大臣たちがお待ちよ。
ん！お、お前の頭はなんだ？
これ？いま巴里セレブ界で流行はやりの鉄塔盛り髪よ。
ん！お前の手がつまんでるものはなんだ？
これ？銃みたいね。さっき試してみたの。

王妃の足下に寵姫ちょうきジャンヌが横たわっている。
もちろん頭は粉々。あたりには真っ赤な血の花びらが散っていた。

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