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北海道で「んまつーポス」の小学校の授業見学!教育のパワーに思わず涙ホロリしそうになるほど感動

以前の投稿で紹介した「んまつーポス」の皆さんが宮崎から北海道にお仕事でいらっしゃるということで、お会いしてきました。

※以前の投稿はこちら↓


今回は北海道各地の学校を周り、9本の授業やワークショップをされるとのこと。
大変お忙しい中でご連絡をいただきまして、それならばせっかくだから北海道の誰かを紹介したいと思い、札幌の民間の劇場である生活支援型文化施設コンカリーニョの吉武裕二さんをご紹介いたしました。

んまつーポスのメンバーの児玉さんが諸事情により北海道に来れなかったそうで、みのわさんと豊福さんのお二人にコンカリーニョまでお越しいただきました。
いろいろと素晴らしいお話を聞かせていただき、吉武さんも非常に刺激を受けていたように思います。
話の流れで翌日の某地域の某小学校における6年生の授業を視察させていただけることになり、急遽ですが吉武さんと二人で伺うことにしました。


翌日、
学校に到着して体育館で待っていると・・・ぞろぞろと子供たちがやってきました。
んまつーポスがこの学校で授業をするのは2年ぶり、2回目とのこと。
4年生だった子供たちが、今は6年生になっています。


んまつーポスが凄いのは、学校教育の専門家であるということ。
(あまり制度に詳しくないので、間違って記憶しているかもですが)メンバーは全員が大学で教育を学び、教員免許を取得しています。


コンテンポラリーダンスや舞踏の人も同じようなワークショップをやることは多いのですが、その場合は「技術の伝達」や「身体を通したコミュニケーション」であったり「感性の刺激や交換」「クリエーション未満」のような、伝えたいことの軸や芯はあるものの教育プログラムとしてはそこまでガッチリ固定されていないケースがほとんどだと思います。
というのも、ワークショップはその後の作品出演やクリエーションに向いているので、教えるということはゴールではなく、スタートであるといいますか。
また、ダンサーや振付家にとっての本分は踊ることであったり、作品を作ること。
「教え」は副産物というか副業であったり活動を広げる手段、はたまた後進の育成なのでメインではないですし、教育という観点は薄いと思うのです。


一方でんまつーポスが授業でやる内容は「体育教材」としての完成度を高めており、学校全体のカリキュラム(教育課程)の一部として機能しています。
なのですが、決して柔軟性に欠いているという訳ではなく、プログラムには余白があり、創造性もあり、自己肯定感向上やコミュニケーション、多様性などアートの良い部分がたくさん詰まっています。
そう、つまり体育教育とアートのハイブリッドなのです。



学校側の教育を否定しないということも大事なことです。
比較になってしまうと・・・
つまりはアーティストのやり方と学校のやり方を比較するような形になると、「どちらかが良い・どちらかが悪い」ということになり、例えば生徒が学校の授業に対してモチベーションが下がるとか、先生の話を聞かなくなったり(というのは極端な書き方かもしれませんが)。

アートの現場では、アーティストや芸術団体側と受け入れ側の価値観の違いからハレーションが起きやすかったりもするのですが、否定し合うのではなく、お互いを認めて共存するということがいかに大事で、なおかつ簡単ではないことか。

先生の役割を決して奪わずに、学校に足りないものを提供しながら、先生たちと共に同じ方向を歩くということ。
特別な一日でもあり、一方であくまでも365日分の1日でしかないということ。


こどもたちとの距離感、先生たちとの距離感。
明確な境界をひいてあげること。
親しみやすく、けれど入れ込みすぎず、押し付けず。

最初の導入、関心、誘導、全体像の伝達、創造性の引き出し方。
授業の中ではんまつーポスの知識と経験からくる、いくつもの細かいスキルが随所にちりばめられており、それによって子供たちの表情がどんどん輝きだしてきます。
たくさんの子供たちの表情が輝きだすと、みんなのエネルギーがまるで発光するかのように体育館全体が輝き始めてきます。
ま、まぶしい・・・


これは、私が手掛けている「ダンスに没頭する4日間」というダンスキャンプでも感じることなのですが・・・
※参考動画↓


人が前を向く瞬間、スイッチが入る瞬間。
この瞬間にとんでもない感動をしてしまうのですが、これこそが「教育の力」なのかなぁ、といつも振り返ったときに思うんです。

教育というのは人間が人間である由縁というか。
もちろん他の動物も教えるということはしますが、教育とはまた違う訳で。
教育というもの自体が人類の文化である訳です。
その大きな教育の力を目の当たりにした時に、どうしようもなく心を打たれてしまったりします。


まだまだ書けるのですが、本1冊くらいの分量になってしまいそうなので、この辺にしておきたいのですが・・・
最後はこどもたちが作った作品を観客席で見せていただきました。
みんなとても楽しそう。


楽しい、ということがいかに大切なことか。
こどもの習い事って、忍耐を強いるものも多いと思うんです。
でも個人的には、そして自分の子供には習い事を通して努力の大切さを教えられたり、礼儀作法を教えられたりするよりかは、めちゃくちゃ楽しい!!
って爆発してほしいんです。
それこそが生きていくうえで一番大事な力だと思うので。
社会の中でうまくやる術も大事だけど、自分がどんなことに喜びを感じるのか、楽しいと感じるのか。


めちゃくちゃ楽しい!と思ってやっていたら
気づいたら運動能力が上がっていた、気持ちが前向きになっていた、声が大きくなっていた、姿勢が良くなっていた、発言をするようになった・・・
それが人としての魅力を高め、幸福感を生み、総合力を上げることにも繋がる気がします。


って、また長くなってしまうのでこの辺でやめておきますが
吉武さんもだいぶ惹かれていましたので
今後、学校教育と劇場が連携したらますます面白いことになりそうです。


写真は一切撮影してこなかったので
トップの画像は前回宮崎に行った時に撮影させていただいたものを・・・

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