テレビ番組がSNSでバズるのって大体違法だよね?

TBS系の動画を配信している Paravi 公式アカウントがこんなことを言っている。

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文章の中で「SNSへのアップロードは違法行為です」と明言している。前期ドラマの『恋はつづくよどこまでも』なんかは Twitter の無断アップロードがバズったことで視聴者数がどんどん伸びていき Paravi の加入にもかなりプラスに働いたと思うんだけど、それでもコンテンツ提供者(しかも、メーカーから預かった物を提供している)としてはこの姿勢で行くのは当然だと思う。

一方で、テレビ朝日の芦田プロデューサーは自身の Twitter アカウントでこんな事を言っていた。

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Twitter でテレビのキャプチャが出回ることを前提に、それもマーケティングの1つとして考えながら、番組を作っているのだ。内情は推測するしかないが、番組を存続させていくためにはその番組の持つ影響力を上層部にアピールする必要があり、昔までは一強だった指標である「視聴率」だけでなく、 SNS で話題になっているかも指標に含まれているのだろう。(実際、『新春テレビ放談2019』で貴島彩理プロデューサーが自身が担当した『おっさんずラブ』の視聴率の低さを話題に挙げ、それ以外の指標も必要と言っていたのを覚えている)

冷静に考えると、Twitter 出回ってくるキャプチャは全部違法だ。今の10代はそれが当然なのでそういったことを考えてない様な気もするが、20代後半寄り上の世代は何となく「違法だよな」と心の片隅で思いながらリツイートしてる人もいるんじゃなかろうか。

一見対立しているように見える両者の意見は根っこの部分では一致している。コンテンツを多くの人に楽しんで欲しいが、違法アップロードによって然るべき所にお金が入らずにコンテンツを享受はしてほしくないのだ。テレビスタッフも本編を全部アップロードされれば、それが例え次の視聴者にリーチで着るとしても法的な手段に出るだろう。一方で、ちょっとくらいテレビのキャプチャをアップしたとしてもコンテンツ提供者もすぐには文句は言ってこない(…と願うのは自分も何回かキャプチャをアップロードした経験があるからだったりする。。)

よほどのことがない限り、テレビスタッフがテレビの内容を SNS で拡散をしないでくれと思うことはないだろう。そういう意味では変わるべきはコンテンツ配給業者であり、また著作権者のマインドであり、法律なのである。とはいえ、「キャプチャはセーフ」と大っぴらに言うことはないと思われるので、違法ダウンロードが刑事罰化されてもYouTubeにアップロードされた昔のガキ使を見た人が皆捕まっているわけではないのと同じように、グレーゾーンのままであり続けるのだろう。

今や各テレビ番組の公式アカウントが SNS 用に独自作成した番線動画を流している時代である。タイムラインに流れてくる動画が合法な物か違法な物かを判別するのはどんどん難しくなっていくだろう。

私に出来ることは、大好きなテレビ業界に少しでもお金が回るようにBlu-rayボックスを買ったり、積極的に配信サービスに加入することくらいだ。あと、テレビ番組に広告付けて YouTube で金稼いでるやつは全員通報してるからな。