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京都音楽博覧会

推しは推せるうちに推せ(だっけ?)とはどこかの誰かの名言だが、「フェスは行けるうちに行け」とも言いたい。
コロナ禍もあり、なんとなくフェスとかライブから遠ざかっていた。そして年齢の問題もある。いやー人がいっぱいいるとこ、しんどくなってきてて。

「なーに言ってんだ、ファンの熱量、音楽への愛、そもそもイベントに参戦(って言い方よ)して楽しむのに年なんて関係ないだろ!」
という声が勝手に脳内から聞こえてくるが、もちろんそりゃそうなんだけど。
正直突貫でフジロック行けるか? と問われたら、もう無理〜! となるな。フジロックで雨に遭ったこと何度かあるけど、マジで地獄というかもう心は「無」の状態になりますよ。
でもたまーに、散々雨降って最悪なとき、ビョークが始まった途端にやむ、なんて最高に素敵な奇跡が起きたりもするわけですけどね。そういう体験ってのはかえがたいもんですよ。
「年なんて関係ない」といえば、昔メトロックだかソニックマニアだかで、若い娘さんたちと一緒に同じTシャツ着てPerfumeを応援していたおじいさんを思い出す。若者たちと嬉しそうにPerfume話をしていて、なんかすごくいいなと思った。あの界隈はすごく平和だしピースフルですよね。
なにはともあれ、フェスには行きたいけど体力が心配。夏に富士山登っといてなんですけど。体力っていうか野外の場合、雨降られたときの最悪具合には耐えられない年齢になってまいりました。

京都音楽博覧会(通称音博)には、できるだけ行きたいと思う。なので春頃に先行がはじまりそうな時期はくるりのSNSを毎日チェックしだすことになる。くるりが主催なのです。
たまにどう頑張ってもチケットがとれないときがあるんだけど、今年はなんとか参加することができた。
会場は梅小路公園なので都市型ってやつなのか。フードコートには近所の人々もやってくるし、会場から漏れる音を聴きにくる人々もいて、なかなかの賑わいです。そばに水族館も鉄道博物館もあります。あんまり本数はないけどJRの駅もある(帰りは京都駅まで一駅分歩くのを推奨)。なのでとても楽。雨が降ると逃げ込む場所があんまりないところが難点か。前回行ったのはコロナ前だったんですけど、ナンバーガールのとき大雨でやばかったなあ。帰りに大阪まで行ってカクヨムで付き合いのあった人々と飲んだりして、翌日思いっきり風邪引いていた。

そんなわけで今年、久しぶりに音博に行くことになったわけです。前日に京都入りしていたんですけど、だらだらと午前中あちこち行って(というか買い物して)しまい、遅刻気味で会場に。最初は羊文学だった。
生の羊文学、こんなにぐっとくるものとは思わなかった。歌詞がいい、とは思っていたけど、まさかこんなに胸掴まれるとは思わなかった。いいな、グッズ買って帰ろうかな(そういううのがフェスっぽい)と思っていたら、ぽつぽつと降りだしてきた。
いや、僕の行った日(1日目)は天気がやばい、という情報はチェック済みだったので、ひとまずコンビニで雨ガッパ(レインコートですね)を買っておいたのである。
色とりどりのおしゃれなポンチョを着ている人々がうらやましいが、どうもポンチョって買うタイミング逃したまま生きてしまいましたよ。永遠に買わないかも。使い道フェスくらいしかなさそうだしな。

さて、一番びっくりしたのは槙原敬之さんである。MCの軽快さもさることながら、攻めのセトリ。マッキーの歌、だいたいわかるし歌えるもん。「もう恋なんてしない」とか「遠く遠く」とか。「SPY」が始まったときは身震いしたよ。雨のせいだけでなく。さすがだ。まったく変わらない歌声、ヒゲ顔にはなってたけど、その筋的にはモテですよ。凄味、としかいいようのないものを感じた。ファンのみなさんもソルジャー感あるし、すごくいい。
ちなみに僕は槙原さんのオールナイトのハガキ職人で、おもしろいネタを書いたやつがもらえる、金紙に直筆サイン(正式ネーム忘れましたごめんなさい)を持っているのだった。

みんな雨ガッパ

すっかり夜になり、「あー、終わんなきゃいいのに。今回は俺の好きな歌をやってくれるんだろうか」と思いながらくるりを待つ。そばでいかにもパリピな男二人組が「今回のために勉強してきた」「『東京』やらないかな〜」なんて話している。まあ聴きたいですけどね。でもテレビ電話で女とぎゃあぎゃあ話してるのはマジやめろ。
『ワールズエンドスーパーノヴァ』なんて聴いてしまい、興奮して「あ」とか口走っちゃったり(よくする)、フェスなのでやっぱ短いよなあ、なんてさみしくなったり、やっぱ来年も行こうかな、と思ったり。
音博ってのはなんだか民度が高い(べつによそが低いというわけではないですが)ので、居心地がいいのだ。子供たちも楽しそうにしてるし。親の影響なのか「くるりまだー?」とか言ってるし。音博が終わると、秋なのだ。

京都タワーもその日はくるり仕様だった


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