子供の頃、寿司屋を営んでいる親戚の家の離れに住んでいました。
  親戚の家の2階には当時、ウズラや十姉妹、紅雀、文鳥、セキセイインコ、シマリスなどが飼われていました。
  そこに、九官鳥の『きゅーちゃん』が仲間入りしました。
  ウズラや他の小鳥たちは、ベランダの大きな鳥小屋で飼われていましたが、きゅーちゃんは、昔ながらの竹の鳥かごに入れられ、1階にいることが多かったので、私は言葉を教えようと、ひまがあれば「おはよー」とか「きゅーちゃん」と話しかけていましたが、いっこうに、きゅーちゃんはしゃべりませんでした。
  それから、しばらくしてきゅーちゃんは、「○○子～！○○子～！」と、年上の従姉妹の名前を呼ぶようになりましたが、必ずその後に「△◆☆＆Σ♯■＠★!!!」と、訳のわからない言葉をしゃべるのでした。
   何をしゃべっているのか謎でしたが、私が母屋にお泊まりをした日の朝、その謎が解けました。
「○○子～！○○子～！」と、伯母が大声で起きてこない2階の従姉妹を呼んでいました。
  すると、「わかってるわよ～！」「△◆☆＆Σ♯■＠★!!!」と、ぶつくさ悪態をつきながら従姉妹が降りてきました。
  どうやら、きゅーちゃんは、従姉妹の悪態の部分まで再現していたようです。
  伯母と従姉妹のこのやり取りは、きゅーちゃんが覚えてしまうほど、毎朝繰り広げられているんだなぁと、思いました。
  九官鳥を飼う時は、普段の会話も気をつけましょう。お宅の実態がバレちゃいますよ。