のらねこ日記いきもの編タヌキ
駅から徒歩5分、坂の上の高級住宅地で、夜8時ごろ、仕事帰りの私の前を何かが通りました。
猫さんにしては、まるっこい体のわりに足が細いな、と思ったら、その子がくるっとこちらを振り向きました。
タヌキさんでした。
私と目があったタヌキさんは、焦ってその場から逃げようとしましたが、
偶然地面に落ちていたコンビニ袋に後ろ足を引っかけてしまいました。
逃げてもついてくるコンビニ袋に、
ますますパニックになったタヌキさんは、めちゃめちゃそこら辺を走り回り、横のお家の生け垣に飛び込んでいきました。
『何をひとりで慌てているんだろう』と、ひとり残された私は思いました。
その話を車の運転が大好きな友達にしたら、彼女からもタヌキさんエピソードをいただきました。
友達が、夜に相模湖あたりを車で走っていた時、突然タヌキさんが飛び出してきました。
急ブレーキを踏んだので、タヌキさんは無事でしたが、驚いたタヌキさんは、車から必死に逃げようと、道路の真ん中を進行方向へモッコモッコと、走って行きました。
スピードを出したら、タヌキさんをひいてしまうので、仕方なく彼女は徐行しました。
交通量の少ない道でしたが、彼女の後ろには、いつしか車が2台連なっていました。
タヌキさんを先頭に車3台のノロノロ運転。いつまで続くのかと、思ったところで道がカーブしていて、タヌキさんはそのまま直進して、路肩のやぶのなかに消えました。
やっぱり、タヌキさんってお馬鹿だと思いました。
旭山動物園でエゾタヌキのオリの前で、しゃがみこんでいる小学生の少年がいました。
下ののぞき窓からタヌキさんの穴ぐら(寝床)が見えるようになっていて、その男の子は、そこからタヌキさんの写真を撮ろうとしていました。
すると、その子のお母さんが言いました。
「そんなタヌキなんて地味なもの撮らないで、シロクマとかアザラシとか撮ればいいじゃない」
それでも、男の子は一生懸命、タヌキさんを撮ろうとしていました。
少年のこだわりに心の中で拍手しました。
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