小数点以下の感情(0.999…)己卯
オルゴールの箱の中で踊るのは人形ではなく きみの記憶。
ぼくは背骨の延長線上にある頭蓋骨の中で暮らしているよ。
わたしには宝石という名の時間が光輝いている。
いつまで過去にしがみついているつもり。
蒼ざめた闇に溶かしたあなたの輪郭線。
死なんて基礎 下地 土台 いっそ前提。
濡れて崩れて忘れ去るために涙はあるんだよ。
垂れ下がる あいの紐を振りかざしてわたしの首を締めつけないで。
あなたを信用しているという人をわたしは信用していない。
きみの嫌味は針のようにチクリとわたしを刺す。
言葉は速くて透明で刃で すぐに消滅するくせに なぜ 残るの。
ナーバスな水色は新鮮な草木に栄養を光合成を与えて消えていく勇者。
同一の視界と言葉なんてないんだよ 自分で勝手にくっつけているだけ。
いっせーの で はじまる恋だってあるはずなんだ。
マウント取られるって なんで上になった方が勝ちなの。
飴と鞭なんてただの上から目線。
なんで二分化したがるの ぼくときみはただひとつになりたいだけなのに。
離れたくちびるが上下で不愉快に揺れる。
ぼくの存在をきみの遺伝子へ刻み込みたい。
星屑になりたい ぼくはずっと小さく燃え続けている。
そんな、小数点以下の感情に埋れながら生きている、わたし。
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