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夫婦関係改善の全体像 ~オーダーメイドしないと解決しにくい複雑さ~

皆さんは、この夫婦離婚しそうだな…と思ったことはあるでしょうか。私は見た夫婦の7割位にそうおもいます。ただ、幸いなことに、誰も離婚していません。さて、何でこんな話をしたかというと、夫婦関係改善のスタートでありゴールでもある理想というものがこの現象に関連しているからです。

この現象の正体は、夫婦関係の理想像が自分の心にあって、100点満点中40点とか勝手に夫婦を採点して、低評価をつけ満足度が低くて別れそうだと相手夫婦を下に見ているだけだったわけです。酷い話です。まず、夫婦関係改善にあたっては、自分の夫婦の理想像と現実のギャップを整理するところから始める必要があります。




夫婦の3領域

夫婦は3つの領域や役割に分割できます。
1、自両親と父母と子供。親子・子育て領域  赤
2、家の家事雑事家計をまわすパトーナー領域 青
3、性的、恋愛ドキドキ領域 緑


夫婦の3領域


それぞれの項目で大丸枠の理想像があります。そして、各領域の中で、作業や実態の波線の現実があります。波線の中には、自分はこれこれをできるする、代わりに相手に丸々してほしい丸々であってほしいという自他の線引き、期待、価値交換があります。

夫婦関係が一番上手くいくケースは、相手と自分のその各領域と内訳がピッタリ合致している場合です。相性が最高の二人です。次いで上手くいくのは、双方が相手より自分の占める線引きが多い場合です。相手よりも自分の方が少し頑張る、気を使いあうとかで空白地帯ができないので、ストレスはありません。次いで、片方が相手に全く内訳を期待(強要)しないケースも上手くいきます。諦めという悪い意味ではなくて、許容です。できても出来なくてもいい最後は私がするだけという個人主義とか人にあまり頼らないタイプの気質の場合です。片方に負担はかかりますが能力が高ければ、よく家はまわります。最後は我慢と諦め、損得で維持されるケースです。上手くいっているにいれるかは微妙ですが、不満はあってもなにかで繋ぎとめられて、離婚はしていない段階です。

お互いの理想像を重ね合わせたときに、空白地帯が生まれることが、夫婦関係の悪化でありストレスであり、その夫婦の問題です。




夫婦関係改善のアプローチの複雑性

夫婦関係の問題、空白地帯を探して埋めていくルートや方向性は以下の通りです。いずれかのゴールが達成できれば、1つの空白地帯は埋まります。
1、大枠の円、理想状態を互いにすりあわせる
2、円と波線、現実と理想のギャップを整理する
3、内訳を整える、分担の調整
4、内訳における各自の能力結果の拡張拡大
5、内訳の境界線を曖昧にするか、逆に明確にする

理想が違いすぎれば、片方の理想は全く満たされないですし。理想と現実の折り合いができていないと、我慢のストレスに苦しみます。理想にあまりズレがない場合でも、その現実的内訳において空白地帯があれば、どちらかが我慢や気を回してそこを埋めて先送りしているだけで、私の方がやってる!もっと相手には丸々してほしいと不満がたまっていきます。


空白地帯を埋めるための各ルートを進み成功させる道のりとしては、以下の方法があります。ゴールを達成する手段です。
1、とことん価値観を話し合う
2、能力がある方が上にたち、内訳の管理を行う 指示命令系統を作る
3、道具や外注やスキルアップで、内訳の空白地帯を潰す
4、何かあったら我慢せずにハッキリと言い合う(境界線は絶対ここにしないとダメという線引きをぼかす)、あるいは、厳密なルールを設けて、境界線を明瞭に明確にすることで、互いに空白地帯を最初から潰しておく。


相互理解し、相互に納得満足する結果を引き出すことができれば、その空白地帯を夫婦で乗り越えた!といえます。そのためには、徹底的に納得いくまでとことん価値観を話し合うという方法がまずあります。次いで、理解はあまりなくても、片方がリーダーとなり、内訳で不満がないようにいい塩梅に空白地帯を処理管理できれば、ストレスはなくなります。次いで、双方のいずれかでその空白地帯を潰すことができないなら、人の手、道具の手を借りるということもできます。便利家電を買え!外注しろ!とかいう人はここですね。最後は、空白地帯を我慢してなんとか無理して埋めようとすることがストレスなので、相手にすぐに不満を吐き出し、境界線を常に更新改定可能な曖昧な状態に持っていくか。あるいは逆に、この線を越えたらストレスフルなことがわかっているなら、その線を絶対超えないように相互でルールを作って厳守するということです。

空白地帯がどこに在るのか知覚して、そして、それをどういう方法で埋めようとするかは各夫婦様々でしょう。



夫婦関係改善アプローチのかみ合わなさ

巷に、夫婦関係改善の言説は溢れています。そのどれもが、なんかしっくりこない!なんか教えられた方法だとうまくいかない!のは、上のルート選び(1~5)と、その進め方(1~4)で各個人の選択傾向があるからです。つまり、自分のやり方と教えられたやり方や、相手のやり方が合致しにくいことが厄介なんです。二人で一緒に料理を作るとして丸々カレーを作ろう、かたや電子レンジ調理。かたやフライパン調理をしようとすれば、うまくいくわけありません。なんとかカレーの共通認識も、もしかしたらずれているかもしれません。

例えば、理想状態の空白地帯を埋めよう!! で、話し合おう を選択する人と、現実と理想のギャップを整理したい お互いになんでも言い合う関係になればいい を選択する人とでは、互いに空白地帯を埋めようと努力してはいますが、うまくいかないわけです。あるいは、価値観を話し合おうすり合わせようを選択する人と、ルールを決めてそれを順守すればうまくいくを選択する人も、うまくいかないわけです。片方は胸の内をさらけだそうとしているのに対し、片方は制度作りに腐心していれば、うまくいくわけありません。

現実では、この選択のギャップを長い事、互いに経験してすり減りながら、ようやく夫婦同士で平和を築くやり方を見つけて、それで運用しているのだと思います。夫婦ケンカやいさかいを経て、その夫婦なりの空白地帯の埋め方を、どこをどう埋めていくのかを長い事かけて見つけていっていると言い換えてもいいかもしれません。そんなみんな1から同じ苦労することないと思うので、今回の記事が参考になれば、幸いです。





夫婦関係の悪化 → 空白地帯だけが原因ではない

空白地帯が存在する事が夫婦の問題であり、その夫婦のストレスです。しかし、空白地帯が直接、夫婦関係の悪化に繋がるわけではありません。結論を書けば、そこに愛があるのか、愛が冷めていないかどうかです。これが分かれ目です。夫婦仲が悪くなるのは以下の4通りです。

1、空白地帯を我慢して埋めていた側の、瞬間爆発。夫婦喧嘩。
2、空白地帯の埋め方が上手くない合致せず、話し合い平行線で雰囲気悪化へ
3、愛や他の3領域すべてでの過不足、減少で冷めていく
4、どうしても理想状態が達成できない、そこに向かわない


ここで重要なのは、1・2と3・4が本質的に異なる点です。1や2は夫婦関係を互いに改善しよう!空白地帯を埋めよう!でもうまく埋められない!という前向きなトラブルであり、喧嘩しても上手くいかなくても相互理解や経験値を獲得できて、次の糧にはなります。そこに愛があるうちは。もし感情的にこじれにこじれる程、下手な喧嘩の仕方をすると、余計な一言で愛が冷める場合もあります。

一方、3・4は、愛の喪失です。空白地帯に気づいていながら放置し、相手と向き合わないでいたら、この相手とはもううまくいかない!と急に自覚したり。あるいは、特段大事にしているところに空白地帯ができてしまうと、こんな人だと思わなかったと冷めます。”埋める気がなくなっている””冷めている”後ろ向きのトラブルです。

言い換えるならば、愛があるならば、空白地帯があっても、それは二人で乗り越えようとするハードルになります。しかし、愛がない状態だと、乗り越える気もなくなり、その他の様々な空白地帯に気づいて、余計に嫌気がさしていきます。




愛とはなにか

愛とはなにか、なぜなくなるのかについて説明します。結婚における愛とは、以下の通りです。

1、愛着
2、許容

愛着とは、その人が結婚に求める一番執着している価値であり、その価値が結婚後も保持されるかどうかです。行きつけの愛着あるラーメン屋の値段が変わって行かなくなったり。味が変わっていかなくなったりと一緒です。結婚は子供や家族を作ることと思っている人は、セックスレスでも離婚や不仲にはならないでしょう。一方で、性的や恋愛を大事なものとしていれば、セックスレスには猛反発でしょう。もし、相手から大事にされることにしていると、喧嘩の時の不用意な一言で、大事にされてない!こんな人だと思わなかったと、愛が冷めてそこで終わることもありえます。

つまり、結婚において様々な空白地帯はあれども、絶対に譲れない部分を、相手がふみぬくとトラブルになり愛が冷めます。相手の変化や何やらでこちらに一切非はないと、本当にスッと冷めます。

また、許容も愛です。ありのままの自分にダメ出しや批判や非難ばかりだったら、疲れます。足りない、できていないとだけばかり言われたら、一緒にいることがしんどくなります。空白地帯がある責任(そっちがやったっていいじゃん)を全てなすりつけられれば、怒りもわいてくるでしょう。




結論 夫婦関係の改善や悪化をさける方法

1、愛が冷めないように、結婚に求める価値、これだけは絶対に譲れないことをあらかじめ互いに確認しておくこと。守ること。

2、空白地帯を減らすために、普段から理想と現実や今について話す。また上記のルートとルートの進め方についても理解し、互いの癖を把握しておく

3、それでも空白地帯から喧嘩になったら、喧嘩の作法を心得て、愛が冷めるような感情的な言葉を絶対に避ける。空白地帯の解消にのみ尽力する。



おわりに

結婚も野球も運転も一緒です。本当にうまくなりたい!もっとうまくなりたい!という情熱や意欲がある人は、少しずつ学んで上手くなります。でも興味がなければ、そのそこそこのもので十分なんですよね。そこそこの結婚生活も、別に野球に興味ないから本気でやらないのと一緒で、いいことでも悪いことでもないです。

ただ、それでも打席に立たされて、ホームランを打たなくてはならない時がきたら、その時は、こういう理論やもっとすごい理論やらを把握している専門家にオーダーメイドしてもらった方が間違いないと思います。複雑なので、専門家に代打してもらうわけです。


今回に関連する記事を紹介しておきます。
価値とは、四種類であるという話  愛の価値を探す参考になれば。

男女の行動傾向の違いから絶対喧嘩になる話

夫婦喧嘩の作法やマナー

愛が冷めるという経験


最後は蛇足かもしれませんが、
私の結婚の理想は、
あれしろこれしろ等と要求してこない
心の痛みを理解して、人を傷つけない、傷つけたら謝れる人
ずっといちゃいちゃベッタリでラブラブ仲良しな人


夜ご飯がレトルトでも、惣菜だけでも全くフラットな感情ですが、この辺が危ぶまれるとすごくイライラと心が乱されます。


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