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人生はアニメや映画で、映画やアニメは人生である

物語って個人の考え方で感情移入するポイントが変わるけど、はまると楽しいよね。ぐらいの認識でいたけれども、もう少し深く、その人の人性のテーマや興味関心を満たしてくれるのが、アニメ物語映画であり、その仮の人生に自分を重ねて満足するから楽しいという構図なのだと気づいた話。





人生はアニメや映画である

人は毎日人生を生きている。でも、寝る時間、食べる時間、仕事を黙々とこなす時間とそのすべてがキラキラと輝いているわけではない。常にドキドキワクワクしているわけではない。自分の夢に近づいたり叶うわけでもない。

そのうすーーいみそ汁みたいな人生を、色々と圧縮して編集して濃密にして、フィクションも混ぜてメリハリをつけて、そうして作り上げられたのがアニメや映画である。波乱万丈にドキドキワクワクしっぱなしで時間か流れていく物語だ。理想化し充実し満足感を与える夢、その夢に酔いながら自らのテーマや興味関心を満たして、快の気持ちになるのだ。





アニメや映画は人生である

アニメや映画はその人の人生の縮図であり、我々の心がそこに人生やテーマや夢を見出しているとするならば、つまり、アニメや映画は私たちが望む理想の人生を描いているとも言い換えられる。つまり、好きな物語は、それがそのままあなたの人生において大事にしているなにかやどこかを明確にあらわしているというわけだ。

恋愛弱者で恋愛なんて無縁だという人は、恋愛作品を読まないだろう。人生に恋愛なぞ不要だからだ。あるいは、現実で手に入らないからこそ渇望する場合もあるわけで、そういう人の中には、逆に恋愛作品大好きな人もいるだろう。

もっと掘り下げて、ハーレム物のようなヒロイン複数に言い寄られるのが好きなタイプもいれば。バチュラーみたいな争奪戦の愛憎劇を好む人もいるだろう。あるいは奥手な二人のゆっくりな恋愛が好きなひともいるだろうし。人生にとって、あなたにとって愛とはなにか。どういう愛が欲しいのかを示しているから違いが生まれる。その物語の何処に惹かれたのかを分析してみると、自己理解が進んで面白いかもしれない。

ただし、一人の人間のなかにも色々な興味関心やテーマがあるわけで、その日の気分で味付けが変わることもある。恋愛作品は好きなほうだけれども、ミリタリーな戦争作品を見たい日もあるし、その人のなかで様々に偏在する。





人間の好むテーマや関心を物語の類型から逆算

個の話は上でのべた通りだが、集団や人間として物語と人生を考えると、人間という存在が人生にもとめるテーマや興味関心があぶり出される。幾多の物語を参考に、1から分類逆算してみようと思う。



◆マクロな視点

多少漏れはあるかもしれないが、大概はこのあたりに収まると思う。そのキャラでなければいけないというわけではなくて、その物語全体でおさえているテーマだ。屋台骨ともいえる。キャラの動きから一歩下がって全体を見たときの視点ともいえる。


人生に関わる普遍的テーマ

正義と悪
救済や希望と、破滅や絶望
大志や信念や大事にしたいものという理想、現実との葛藤
人間賛美や人間賛歌や生命や愛、死や喪失
戦争や闘争や平和と、差別や復讐や憎しみ
運命や宿命や天命や使命感や業、因縁
人間の深層心理や機微や感情の揺さぶり(純文学的な人間への深堀り)
人間関係(とそこから産み出される物)
過去の歴史や人々の暮らしと、未来の歴史や空想世界の人々の暮らし
極限状況における人間心理や選択、最底辺最極端の人間
家族の絆、家族関係
各ライフステージにおける生き方、学生、社会人、老後等々
求道者(スポーツや芸能やなんでも1分野の追求する様)と落伍者
論理的や複雑性の解明、真理の追求




◆ミクロな視点

ミクロにそのキャラに感情移入して見るような視点もある。キャラと自分を同一視したり、同じ価値観行動傾向のキャラに思い入れを持ってみるような場合で、そのキャラが”どうなっていくのか”に心奪われている場合だ。



社会的階級地位の上昇や成長、闘争、上昇志向

社会的地位(影響力)の上昇
お金や成績、バトル等の数字での好成績や成長
武力や軍事力や力での成長
カリスマ、人間関係、人を引き連れる、仲間が増える

だれしも上昇志向や成長や上に進むことを心のどこかでは欲している。社会的地位の上昇と言い換えられ、それを細分化すると4ベクトルに分かれる。どれか1つでもいいし、いずれは全て絡んでくることもある。



女(異性、恋愛、性的関係)

恋愛
性的関係
フェチ

掘り下げると長くなるのでここまでにしておく。恋愛的な駆け引きやすれ違いや葛藤の領域。ついで、肉体関係を含めた男女の仲とは、異性とはみたいな広範で現実的な人間模様。最後は、パンチラとか、お尻フェチとかそういう人に向けた物語、エロマンガエロアニメ、性的興奮の探求。




平凡平和安定日常系とハラハラスリルサスペンスの非日常系

ほのぼの系の話
エッセイ漫画
ノスタルジー
平和で安定的な日々や世界の話

冒険
アクション
ミステリー、サスペンス
ホラー、パニック、スリラー
デスゲーム等々

人間は安定で平和的で、命の心配のない安寧を求めている反面、反転してその裏には、スリルや緊張やドキドキハラハラを味わいたいという願いもかかえている。両極端を時にいったり来たりしながら、安定とスリルの物語を行き来していく。

ミクロな視点だけで完結している物語は、見たあとになんにも残らないアクション映画のようで、その時の気持ちや感情は心地良いが、忘れられない爪痕を残すようなことはない。なので、マクロな視点でのテーマ性も濃密に描いていくことが必要だと思う。マクロな視点を考えれば必然的に正と負、表と裏の対立構造を抱えることにもなり、物語に深みが増すと思う。ただし、マクロな視点とはその人の人生のテーマにより密接になっていくために、作者自身が本当にどこまでテーマについて深い造詣があるのか試されてしまう。




オマケ 物語論

今回は物語のテーマについてかなり掘り下げた。一応物語論の大枠にも触れておく。以下4つが物語の構成要因である、
1、テーマ
2、世界観
3、キャラクター
4、道筋、手段

どこからはじめてもいいのだが、マクロな視点、ミクロな視点でテーマを決めて練る。どういう世界観の物語か決める。その世界観やテーマにふさわしいキャラクターを構成配置する。そうしてスタート地点とゴール地点が定まったら、あとはその道中をどうするか、どう味付けするか悩む。そんなこんなが物語作りであると思う。











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