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家づくりで大切にしていること #2

里山の設計事務所きとかです。
住宅や店舗をつくるということは日常生活での活動と比べると
経済や環境、個々の人生においても非常に大きな影響を与えます。
だから家づくり、お店づくりに携わる上でまじめに伝えていきたいことがあります。

#1からのつづき

美しいこと

時を経て味わいが増し、なお美しいもの・素材を使い、
時が経つにつれて醜く汚らしくなるものは使わないよう意識しています。
暮らしの中に自然をとりいれ、四季を感じ周りの景観に対しても調和することを大切にしています。

空間の美しさだけではなく、家具・小物などのインテリアの要素、暮らしそのものを含めて考える。
安全性や環境にやさしいだけでなく、洗練されていて豊かな感性を刺激する空間を提供できるよう日々努力する。
美しさへの感度を高めるため、日用品でも美しく無いもの、自然と調和しないものは選ばない。
目的のものが見つからないときは自らの手でつくる。
自然の中に身を置く。
暮らしの中で四季を感じる。
時を経ても美しい建物をみたり、先人の知恵を学ぶ。
多少の不便を楽しむ。
そんなことが大事だと考えています。

暮らしごこちの良さ

夏でも冬でも快適に過ごせること。
そして人は自然の一部であると考え、季節の移り変わりを感じるため暮らしの中に自然を取り入れることを大切にしています。
自然と切り離された不自然に均質な暮らしは、便利かもしれませんが人にストレスを与えていると思います。
電力に依存する最新の設備やシステムを組み込んだ高機能住宅は一見快適で住みやすいように思えますが、何かひとつでも不具合が起きたときに成り立たなくなるのでは欠陥といえるのではないでしょうか。
そして快適さだけを求めて箱(家)に合わせて暮らすのではなく、まず住む人の暮らしありき。
今の暮らしでうまくいっていること、うまくいっていないことを見つめ
これからどう暮らしたいのかをしっかり伺ってから計画に落とし込みます。
住む人それぞれに合ったストレスのない心地よい暮らしに導きます。


住み手が変わっても受け継がれること

現代の日本の住宅の寿命は25〜30年といわれています。
住み手が変わると安易に壊して新築するやり方では環境に対する負荷も高く
そういった消費主義的なサイクルは持続可能とはいえません。
新築も得意としていますが、経済的負担を減らして豊かな暮らしをつくるたに予算を割けるため、改装や改築をおすすめしています。
あるものを活かして、安全性・快適性など手をいれるべきところは手を入れ、間取りを変えながら長い間住み継がれるように整えることが合理的ではないかと思います。
完成した時が一番美しく徐々に劣化していくような工業製品の使用は最小限に抑え、時が経つにつれてどんどん味わいが増し、家にいる時間が豊かになるように意識しています。

柱の跡も昔の名残。
古いものを活かして暮らす。

#3につづく>

 

#3につづく

2023年4月16日 文:みもと


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