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「ワンデイ - 家族のうた -」はラテン系豪華キャストのために観る

Netflixのコメディドラマ、「ワンデイ - 家族のうた -」(One Day At A Time) の新シーズン公開され、つい観てしまいました。昨年シーズン1、2をイッキ見し、今度の第3シーズンを楽しみにしていたものの、公開されたその日に観てしまったらこれから何を楽しみにすればいいのか・・・。

Netflixのサイトによればこのドラマは「キューバ系家族を題材にした70〜80年代の人気コメディのリメイク。離婚したばかりのシングルマザーが難しい年頃の娘と息子の子育てに奮闘する毎日を描く」。

コメディながら、兵役後PTSDに苦しむヒロインがなかなか治療を受けられない問題、人種問題、ペネロピの母の市民権問題、レズビアンとしてカムアウトしたティーンエイジャーの娘が周囲にどう受け入れられるか、世代によって異なる #metoo ムーブメントの考え方 ・・・とアメリカでニュースになっているテーマを上手に取り入れて大好評。そもそも1975年から10年続いた人気シットコムのリメイクですが、現代的な味付けになっています。

という構成もさることながらこのドラマ、キャストがすごい。メインキャストのひとり、ペネロピの母リディアを演じるのはリタ・モレノ、87歳。映画「ウェストサイド物語」のマリア役でアカデミー賞、長年、アメリカのショービジネスに君臨し続けています。エミー賞(テレビ)、グラミー賞(音楽)、トニー賞(舞台)、そしてオスカー(映画のアカデミー賞)というアメリカのショービジネス最高峰の賞を4つ獲得した人を、各賞の頭文字を取ってEGOTといいますが、リタ・モレノはその一人。おばあさんなのに家族で一番のスタイルを誇り、自分の部屋のカーテンを開いて出てくる姿が晴れ舞台に立つ女優全として美しい。

主演のジャスティナ・マシャドは、今までいくつものドラマで脇役をやるのを見てきたので、40代半ばでぽっちゃり体型のジャスティナの主演にびっくり、でも嬉しい。初めて見たのはお葬式屋さんの家族の話「シックス・フィート・アンダー」で、葬儀社で働くスタッフの奥さん役をやっていました。その後、医療ドラマ「ER」「プライベートプラクティス」でちょっと見て、あとはは「デビアス・メイド」「クイーン・オブ・ザ・サウス」最終シーズンが待たれる(昨シーズン放映中は「今テレビでやっている中で最高のドラマとの評価もあった)「ジェーン・ザ・バージン」とラテン系女優がメインのドラマに次々と。

ぽっちゃり中年女優のテレビドラマにおける台頭についてはまた次の機会に。

一家が住む建物のオーナーの息子で一家のアパートに入り浸る白人男性シュナイダー役のトッド・グリンネルもよくいろいろなドラマで見る顔。ジェーン・フォンダとリリー・トムリンの「グレース & フランキー」ではグレースの長女、ブリアナが経営する化粧品会社のスタッフでたまに顔を出します。

しかしシーズン3の第1話は、このシーズンへの期待の大きさを物語るゲストスターがものすごい。おばさんのお葬式に親戚が大集合という設定です。

キューバ系アメリカ人の星、このドラマの主題歌を歌うグロリア・エステファンがリディアといがみあう妹役で登場、リディアと一緒に歌い踊る大サービス。

さらには刑事物コメディ「ブルックリン・ナイン-ナイン」のメインキャストのうち二人、エイミー・サンティアゴとローザ・ディアズ役のメリッサ・ファメロとステファニー・ビアトリスも親戚として出演。「ブルックリン」は、メインの女性二人ともが非白人、しかも一人はバイセクシュアルという多様性重視のキャスティングで評判です。

エピソード4では、初登場のペネロピの弟、ティート役にダニー・ピノ。この人はワルな刑事ドラマの先駆け「ザ・シールド」の極悪非道なギャングのあと、「コールドケース」と「Law & Order 性犯罪特捜班」で刑事役をやり、その後、ご無沙汰していたのですが、相変わらずの姿を見られて嬉しい。

ドラマとしては、話はゆるっとしていて、その時々のニュースを詰め込もうとしている意図がわかりやすすぎる、と思わないでもありませんが、毎回、リタ・モレノの姿を拝めるだけで文句はなし。もう一度書きますが87歳。あんなに姿勢のいい87歳の女性を見たことがありません。エアロビクスで一世を風靡したジェーン・フォンダだってまだ83歳ですからね。(かっこいいおばあさんがたくさん出てくる「グレース & フランキー」にももちろん、ちらっとゲスト出演。)

この先もまだ豪華ゲストが楽しめそうです。

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