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【短編小説】「私のこと好き?」

「私のこと好き?」

 何度も聞いてしまい、そのたびに言わなきゃよかったと後悔する言葉。
 思う通りの答えをもらえる事は殆どなくて、さらりと言われて終わってしまう。
「そりゃあね。じゃなきゃ結婚してないよ」
 そうなんでしょうね。
 でもね、そうじゃないの。
 『好き』という言葉を、あなたの口から言われたいの。
 『好きだよ』って、あなたの柔らかくて温かくて幸せなトーンで言われる言葉を、あなたが甘ったるい顔をしている表情を、耳から、目から脳へ届けて、そうして初めてじんわりと溢れてくる幸せな感覚に浸りたいの。
 本を読みながら、テレビを見ながらではなくて。
 私を繋ぎ止めるために苦しそうに言うのでもなくて。
 ただ、穏やかに、好きだよ、って言って欲しい。

ねえ、私のこと、好き?


素敵な企画を目にしました。

 どんなシーンで言われるとしても、大切な言葉であるのは間違いないですよね。
 けれど、どんな感情を込めるかはその時の二人を取り巻く状況によって変わってくる。
 好きを告げる時は、穏やかな幸せな甘ったるい程の甘さを籠めてほしいと、思いました。

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