kenta

自然と共に創造的に生きています。 武器は描くこと、撮ること、書くこと。 日々の感動を表…

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自然と共に創造的に生きています。 武器は描くこと、撮ること、書くこと。 日々の感動を表現の場としてます。 派手さのない素朴な発信です。 よろしくお願いいたします。

最近の記事

野生の足と釘の溶融体(詩)

水たまりの匂いと草のささやき 野生の足と老いぼれた釘 ある痩せた土で出会った 釘の最後の一仕事てして 野生の足を大地に誘おう 錆びついた破片が肉にめり込む しばらくして足は弱り始めた 錆が細胞レベルで足に抱きついていく 有機体と無機体とのせめぎ合い 野生の足と釘は溶融していく 野生の足は釘に応えた 鋼鉄の足と化し錆を撒き散らす

    • 緑が爆色する(詩)

      田んぼが緑を真似してる 田んぼに稲を張って もっと緑の真似してる ハゲワシ頭の田んぼから 緑が爆色する そこへ 天からの滴が 一滴一滴に 緑や田んぼ緑を 包み込んで キャンパスは緑に爆増色

      • 水を破ったコオロギ(詩)

        水を破ったコオロギ ヒゲの先に溜まる虹 水玉集めて包み込めば 月のまぁるい夜に 虹を出そうと羽こすり きっと まぁるい月の裏側に 虹は踊り出る もう コオロギはいない でも 誰も知らない

        • 雨とアメンボの契り(詩)

          アメンボは 雨が落としていった水に 濡れないように スィー スィー でも濡れるのがイヤなんじゃない 水が苦手なんじゃない 雨がキライなんじゃない だって だって 水の上を やさぁしく やさぁしく そぉっと そぉっと やさぁしく ね 雨もアメンボを やさぁしく やさぁしく つるんと ね 雨が降るところに アメンボはいる アメンボがいるところに 雨が降る きっと きっと 遠い 遠い 昔に きっと契りを交わしたんだろね

        野生の足と釘の溶融体(詩)

          恋文瓶(詩)

          ザバァアー グォーン 鼓膜に微かに届くか 幻聴か 川に恋文瓶を流した ある日の夜 ゴォォン ゴォォン グァーン 海は泣いて返事をくれた

          恋文瓶(詩)

          老木と同化し木脈に踊る(詩)

          初夏の露に洗われ 木々は喜び発色の緑を彩る 鍾乳洞の滴の音色と 老木にまとわりつく巨大な口 優しい囁きに覗き込む 指は溶け出し 時が頭脳を刺激し始め 艶と人生がある若木に逆行する 童子の遊ぶ声がやってきて 血脈は木脈に踊り出す 同化した体からは叫び声は出ない もう老木と共に短い時を夢想するまでだ

          老木と同化し木脈に踊る(詩)

          精霊のリタイア(詩)

          雨粒の球体に忙しなく 精霊の新参者が満員電車で 空から急いで降りて 地面をノックする 大地で長い長いお務めを 終えた古参者と交代するために その音を聞いて ひょっこり顔を出す古参者は 彼らが降りきった様子を眺めると 空も明るくなりはじめ やれやれとゆっくりゆっくり ゆらゆらと 古参者は空に帰って行く やっとリタイアを迎える

          精霊のリタイア(詩)

          カタツムリが泣いた日(詩)

          カタツムリは 雨が来ないと泣いていた 一生懸命泣いていた 地割れの隙間の日陰で じっと待っていた でも雨は来なかった とうとうカタツムリは 家を脱いで旅に出た いつからか誰もいないその家から 涙の音色が響いてきた

          カタツムリが泣いた日(詩)

          やがて肉体は情報と化す(詩)

          太陽のかけらがこぼれ落ち 木々に絡みついた先に まとわりついたそれは 体を浄化させる 血管に入り込んだそれは 巨大なネットワークを形成し 自然と肉体が情報で結ばれる やがて肉体は情報と化し 氾濫し自ら溺れる 意思、意思だ、意思が見える 木々かそれとも地球からか その瞬間 シルクで覆われた太陽は心を閉ざした

          やがて肉体は情報と化す(詩)

          はじまりのおわり(詩)

          はじまりのおわり トンネルの先のブラックホール 涙の先に見える雫 いつか観た路地の陰翳 無数のガラス破片で彩光が翔ける 朝焼けに伸びる麦わら ビルの裏地のにおい

          はじまりのおわり(詩)

          雨は戻って来た(詩)

          雨は戻って来た どろりと重いゼリーが湧きでて 天使たちがはしごを掛け出す ゼリーの亀裂から溢れ出し とうとう雨は戻って来た 手に弾ける涙 涙の先に見える雫 涙はやがて路地を湿らし いつか観た路地の陰で たくさんのガラス破片で虹を作る 朝焼けに伸びる人影 ビルの裏地のにおいをたしなむ やがて雨は戻って行く

          雨は戻って来た(詩)

          夕焼けの苦み(詩)

          夕焼けが苦いのは 失恋の涙をぶつけたから 明日の排ガスを待っているから みんなの想いを一手に吸い込んだから 西から苦い風が吹くから 失敗した料理の色に似ているから つい甘い思いをして過ごしたから だから たまには甘くなってくれよ

          夕焼けの苦み(詩)

          朝の光にナイフを入れて(詩)

          朝の光はみずみずしい きっと不純物の無い はちきれんばかりのそれに ナイフを入れたら 酸味の効いた飛沫で 思わず顔をすぼめてしいたくなるほど嬉しい 朝の光は産声をあげたばかで 目に入れても痛くない 朝の光に罪はない 朝の光に悪意はない

          朝の光にナイフを入れて(詩)

          あんチキショーな恋(詩)

          青春の黄昏れ 恋は恋ばかり 青い夕日に恋しむ 心が忙しいばかり 時のにほひは移ろいに 時代のにほひに後腐れ

          あんチキショーな恋(詩)

          大寒の朝

          氷の針の見え隠れ 露の唇はほとばしり 窓に伝う蛇はやがてつぶれ 菌類の肌触りを微かに聞き 淀んだ光の渋さに目を逸らす

          大寒の朝

          青春(詩)

          春は叫んだ 夏も叫んだ 秋は叫んでみた 冬は泣き叫んだ

          青春(詩)