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日本のセーフティーネットが風俗である件について

憲法は生活を保障すると「宣言」している

現在の日本では、憲法が人間らしい生活を保障すると宣言しています。ただ、これは本当に「宣言」らしく、実現は「宣言」を実行する法律によって行われます。

新宿を歩くとホームレスが寝ていたりしますが、「宣言」を実行する法律がないがため、人間らしい生活を「まだ」保障されていない方達です。「人間らしい生活」がどんなものかは定義しにくいですが、ここ日本において帰る家がないというのは「人間らしい」生活とは言えないでしょう。

これから先、きちんと法律ができれば家ができるかもしれません。いつになるかはわかりませんが…。

待っていられない人達と知識のない人達

憲法がいくら「宣言」しているからといっても、実行法が制定されるのを待っていられない人達もいます。そういう人達は1ヶ月、一週間、明日のお金にも困っています。事情は様々ですが、すぐにお金がなくてはなりません。

すぐにお金をつくる方法は1つ。何かを売ることです。高額なものを売ればお金がすぐに手に入ります。ただ、この世のだれもが売れるような物を持っている訳ではありません。

物という選択肢がない場合、残されたのは心と体になります。この2つはすぐに売ることができ、個人差はありますが高額です。

だから、風俗は日本のセーフティーネットであると言えます。

「雇用保険や生活保護があるじゃないか」なんて言う方もいらっしゃいますが、困っている方は保護を受ける前にジ・エンドです。雇用保険や生活保護が、本当に最底辺の人々を救うための制度になっていると思っているのであれば、それは間違いです。手続きの複雑さやスピード感のなさで詰みます。

そもそも最底辺の人々は知識に乏しく、保護を受けるためにはどうしたらいいかわからない人が多いです。風俗なら面接をすればおしまいです。すぐにお金を得ることができます。

保護を決める職員にも知識がありません。保護受ける人々がどんな人物なのかわかっていないです。彼らは平気で手続きに時間がかかると言います。法律だから仕方ないですとも言います。相手がどんな状態に陥っているか全くわかっていないです。

仕方ないことですが、彼らは公務員です。生活に困窮することはまずないでしょう。一番安定した生活を送っている方々が、最底辺の生活に察しがつかないのはしょうがないかもしれません。彼らは支給する側に何度もなりますが、支給される側にたつことはないのです。

絶対に揺るがないセーフティーネットとしての風俗

知識がないのは、上に書いた人々だけではありません。法律を作る人々にも貧困者の経験と知識がない点です。

法律を作る人々に、これらの知識がない以上、今の状態が是正されることはないでしょう。風俗がセーフティーネットとして絶対に揺るぎない理由がこれです。

そもそも法律を作っている人々は、今の状態で大丈夫だと思っています。確かに制度のダメなところが見えにくく、受けるがわになって初めて気づくことがあります。つまり実際に使ってみないとわからない問題点が多いのです。

政治家に貧困者はいないでしょう。だから自分自身では気付かない。日本の風俗従事者は有権者のなん%かわかりませんが、少ないことは明らかです。議題にあがることもなく、この問題の是正がマニフェストになることもないでしょう。つまり一生解決されず、このままです。

風俗従事者が不幸とは言いませんが、雰囲気のおかしい人は多いです。それは風俗にまで辿り着いたなにかを持っているからでしょう。風俗の手前で他の防波堤に出会っていたなら、あの人達は別の道を歩いていたかもしれません。

ただ、あの人達を危機から救ったのも風俗です。風俗というセーフティーネットは、今日も機能し続けています。

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