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長く続くブランドになるために "作り手の覚悟"を語り継ごう

#Designship2018 にてお話しした内容の全文公開チャレンジ!


聞いてくれたみなさん、そして運営スタッフのみなさん、さらにグラフィックレコーディングをしてくれたみなさん、本当に楽しい機会をありがとうございました🙌


こんにちは〜!


はじめまして、コネヒト株式会社 デザイングループリーダー のきよえ氏です。今日はよろしくお願いいたします!


私は、「ママリ」 というママの一歩を支えるブランドをデザインしています。

ちなみにママリのこと、知ってる人〜🙌 (はーい!)

 

わたしたちは、妊娠中の女性や、育児をする女性を支える Q&Aサービスを提供しています。

 

ママリは2018年に出産したママの3人に1人に使ってもらっていて、さらにさらに、ママが、他のママにオススメしたいアプリとしてナンバーワンに選んでいただいている、すごくいいサービスです!

 

そんなママリには目標があります。それは、「10年続くブランド」になること。

 

ここでいうブランドは、「継続的にサービスを体験する中で培われる信頼」です。その「信頼」が事業とユーザーの架け橋となり、色んなサービスの中からママリを選んでもらうための決め手になると考えています。

今回は、私がこのママリのブランドづくりをする経験から学んだことをベースにお話ししようと思うのですが

 

今日はデザイナーさんが多く集まるイベントといっても、役割やスキルは人それぞれ。
そこで、いろんな役割や視点をもつ方がたくさんあつまる場だからこそのテーマで、ちょっと問いを与えられるようなテーマでお話ししてみたいと思います。

 

今日のおはなしはこちら。
「長く続くブランドになるために、“作り手の覚悟”を語り継ごう」
なんだかエモみのあるおはなしをします!

 

このおはなしの主人公は "作り手" です。
デザイナーさん、エンジニアさん、セールスさん、マーケターさん...などなど、作り手は役職にとらわれず、「サービスをつくるみんな」のことをいいます。

 

このお話は、ママリのリブランディング後のものがたりになります。

ママリは2018年1月、ブランドの刷新を行いました。
その際はメディアに取り上げていただいたり、ブランドロゴについてブログで発信をさせていただいたので、見ていただいた方も多いと思います。

- それから約1年が経ちました。
その過程の中で私は、リブランディングって、ロゴを変更したりアイデンティティを言葉にすればそこで終わりじゃなくて、むしろその「後」のほうが大切なんだ、ということを実感しました。

そこで今日は、そのリブランディング後のブランド作りの中で得た学びをベースにお話ししていきたいと思います。

 

さてさて、ここからが本題です。
お話は2つ。はじめに語り継ぐことの大切さ。そして会社での取り組みや工夫についてお話します。

 

1章、語り継ぐことの大切さ。

 

先ほど話したように私たちは現在「10年続くブランド」になることを
目標に、サービスづくりに励んでいます。

 

この目標は、ユーザーさんに継続的に「よいサービス」を提供することによって達成することができます。なぜならサービスは、ブランドが目指す世界をつくるための手段だから。

 

じゃあその「よいサービス」はどうやって提供するの?
それは作り手たちが、ユーザーにとっての「よいサービス」を追求し続けることで、提供することができると考えています。

 

だからつまり、作り手たちが「よいサービス」をつくり続けないと、10年続くブランドはつくれません!作り手は自分たちが思っているよりも、責任重大なんです。


でも、「作り手」って増えたり減ったり、時間が経つと変化をしていきます。とくにスタートアップ企業だと入れ替わりが盛んですよね。


だから私たちは作り手が変化をしていく前提で、どう「よいサービス」を提供して、ブランドをつくっていくかを考える必要があります。

でも、ここでよく直面する課題があります。


作り手が変化すると起きるあるある〜
「ブランドのアイデンティティ形骸化しがち!」

時間が経つにつれてブランドのミッションってなんだっけ。となる現象のことです。みなさんの周りでも、よくあることだと思います。

 

どうして起きてしまうかというと、ブランドのアイデンティティを「伝言ゲーム」で伝えているから。だと考えています。

アイデンティティを自分の中で腹落ちした状態で次の作り手に伝えていないと、実感や納得感が持てないまま受け継がれてしまって、またその作り手が、次の作り手に伝えていくと実感も納得感も次第に薄くなり、形骸化してしまいます。
アイデンティティはブランドの"心"だから、作り手の心に届かないと意味がない…。


私たちはせっかくリブランディングをしたんだから、そうなりたくない!
だからそうならないようにはどうしたらいいかな、うまくいってる事例はあるかな〜って考えてました。

そして私の脳内によぎったのが・・・


寿司だ〜〜〜〜っ🍣🍣✨


・・・じゃなくて、「老舗」がヒントになるんじゃないかと考えました。


老舗って、何代も何代も、ずぅっと店の伝統を守ってるじゃないですか。まさに、これがブランドだなぁと、思ったんです。


中では、今の作り手である当主が、次の作り手である弟子と共創をするストーリーのなかで伝統を受け継いでいます。

でもこれって、私たちも当主と弟子という関係ではないけれど、普通にチームの中でわりとやってる光景ですよね。


でも、一つだけ、大きく違うことがあることに気づきました。
なんだとおもいますか?

🐟

🐙

🦐

🦀

そう、それは、受け継ぐことへの重み、"ブランドを作る覚悟の差"。です。

 

老舗の作り手たちは、自分が伝統を守らないと、つくっていかないとっていう覚悟をすごく強く持っています。
なぜなら、自分がやらないと伝統がなくなってしまうから。できるのは自分だけ、自分たちだけだからです。

 

さらに老舗がすごいのはその強い覚悟を何代も、うん10代も受け継ぐ「サイクル」ができていること。本当にすごいです。

 

一方、スタートアップは作り手の変化によって覚悟が薄れていきがちです。
どうしてその差が生まれているかというと、老舗とスタートアップの「重きをおくもの」の違いにあります。

 

スタートアップは成長に重きを置いていて、老舗は伝承することに重きを置いています。

スタートアップは、事業をいかに効率的に売り上げていくかが生存戦略です。だから覚悟を伝承しきれなかったとしても、人を増やして事業を成長させることを大事にしています。

老舗は、これまで培ってきた伝統をちゃんと次の代に残すことが生存戦略です。事業としての成長がたとえゆっくりだとしても、伝統をしっかり受け継ぐことを大事にしています。


そんな違いはありながらも、私たちは長く続くブランドをつくることを目標にしているから、覚悟のサイクルを回しつづけることが必要になってきます。

もちろん伝承するために何年もかけるわけにはいかないから、
スタートアップのスピード感を担保しつつ取り組んでいかなければなりません。

 

だから、私たちが覚悟のサイクルを回しつづけるためには、「仕組み」が必要。


じゃあいったいどんな仕組みが必要なの?
というところで、私たちが現在取り組んでいることについて、少し、次の章でご紹介したいと思います。


(ふぅ・・・)


2章、会社での取り組み・工夫について。


私たちは、経営者・作り手の両面から仕組みづくりや工夫を行うことで、覚悟のサイクルをまわしています。


私たちが行なっている取り組みを、今日は3つピックアップしてきました。

【経営主導の施策】
1. 作り手同士が話す場作り
2. 目標とブランドをひもづける仕組み

【作り手主導の施策】
3. 作り手が自分たちでテーマを決めて共創できる仕組み

次に、具体的にどんなことをしているかをご紹介していきます。


1. 作り手同士が話す場をづくり について。


こちらは、ママリワークショップというイベントをやっています。月に一回、作り手全員で一つのテーマに対して、さまざまなアイデアや意見を交換する場です。

この画像は、「あなたにとってママリとは?」というテーマで作り手たちに綴ってもらったものです。
「子育て中のよき理解者」、「心のよりどころ」、「守りたい場所」、「誇り」「いろんな具材の入ったカレーのルー」…といったように、ブランドのアイデンティティを “オリジナルの言葉” で語りあうことで、自分のつくっていることへの重さを実感することができる機会になっています。


2. 目標とブランドをひもづける仕組み について。


半年ごとにブランドの目標を立てて、それを達成するための要素を各部署に小さく割り振ることで、自分の業務がブランドの前進につながってることを意識できるようにしています。

図はモザイクがかかっていますが、現在は「10年続くブランドの土台をつくる」をブランドの目標にしています。


私が所属するデザイングループだと、「部戦略の一歩を共創する」 を目標に取り組んでいます。

実は今、お話ししている内容も、この目標を達成するためにどうすればいいか考えたものになります。

 

今度は作り手主導の施策。
3. 作り手がテーマを決めて巻き込みながら共創できる仕組み について。


これは、クエスト制度というものがあります🐧

なにかというと、ちょっとした課題を解決したいときに、立場や役割関係なく、「解決したい!」と手を挙げた作り手たちでチームを作って、課題解決を行える制度です。

クエストに参加するとポイントシールがもらえて、5枚貯めるとバッジに交換できます!


例えば過去にはこんなクエストがありました。

・【広報主催】ママリの5周年記念のプレスリリースを一緒に考えるクエスト
・【デザイナー主催】思い出に残るユーザーインタビュークエスト

などなど、私も、今回デザインシップに登壇するにあたってこんなクエストをしました。


題して「デザインシップに登壇するきよえ氏の応援クエスト!」
登壇を成功させるために、資料のレビューや練習に付き合っていただいたり、辛い時に応援をしてもらったりしました。
合計10人くらいの方に手伝って、ほんとうに今立ててるのはクエストメンバーのおかげです…。本当に感謝をしています!


そんなところで仕組みのご紹介は以上です。
私たちは、これらを取り組むことで、作り手同士で共創がうまれて、覚悟のサイクルを回すことができています。


でもこれを一からつくっていくのはもちろん大変です。なぜなら経営者、作り手みんなを巻き込む必要があるから、それなりにコストがかかります。


でも、私たちは10年続くブランドを作りたい。そのためには、覚悟のサイクルをまわす仕組みが必要。
だから、目的のためにはこれらの仕組みをつくるコストはかけるべき投資でした。だからうちはうまくやっている。


でも、もちろん一度にやるのは難しいと思うので、
まずは作り手同士で覚悟についてどう考えているのか、それを自分がいなくなったとしても、どうやって受け継いでいけばいいかを考えることが、一歩になると思います。


ぜひ、トライしてみてくれよな💪


以上が、「長く続くブランドになるためには、"作り手の覚悟" を語り継ごう」というお話でした。


少しでもみなさんのつくるブランドが進化していくための学びになれているとうれしいです。みんなで、よいブランドつくっていこうな!


おしまい!

 

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あとがき

長々と読んでいただきありがとうございました!当日は多くの反響をいただけたのと、私たちの取り組みを語り継ぐことができて嬉しかったです。

大勢の場で話してみて分かったのは、私が話すと場の雰囲気がゆるふわになるということ。強みとして生きていきます🤗
クッションは手がぶらぶらしないように持ってました。緊張が和らぐのでおすすめです!

ではでは、またどこかでお話しさせてください。またお会いしましょう🙌

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