銘柄分析 ハウスコム

このノートは何

主に自分の備忘録として、主力として大きく売買した銘柄について考えたことなど記録しておくものです。特定銘柄への投資を推奨するものではございません。

3行まとめ

・成長エンジンは"仲介業務のオンライン化"
・大阪圏進出や売買仲介参入で着実成長
・完全子会社化TOBも期待大

企業概要

ハウスコム(3275)。賃貸不動産の仲介店舗を運営。営業エリアは首都圏と中京圏、さらにM&Aで大阪に進出。大東建託の連結子会社。

購入に至る経緯

2021年1月〜2月に、賃貸仲介に客足が戻ってきた様子があり、業績回復期待で賃貸仲介業の銘柄を比較。(結果的には撃沈😇)

ハウスコムを選んだ理由は、大東建託によるTOB期待と、不動産テックによる営業利益率改善への期待。

財務健全性

有利子負債0。現預金が負債合計を上回る。特に書くことが無い。

懸念点として、M&Aでのれん増加。株式会社宅都、2019.9期で営業利益0.5億円の最終赤字。ここを10億円で買収して、のれんが7.5億円、うーん回収できるかな?

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うなるほどある現金を活用してほしいので、同業M&Aには基本的に賛成。

株主構成

大東建託が51%所有の筆頭株主。完全子会社化のTOBを期待できる、ここが同業他社との違い。

それと、大東建託グループの「D.T.C.REINSURANCE LIMITED」に出資していて、毎年比較的大きな配当収入がある。2021.3期は営業利益3.5億円に対して受取配当金が2.0億円(※)。但し金額は毎年変動しており、安定収益とは言えない。

(※)金額はD.T.C.以外からの配当との合算

成長性

出店増加に伴い、売上成長は順調

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だが利益は2017.3期から伸び悩み

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この辺は株価にも織り込まれていそうで、月足チャートでは2018年初をピークに下落トレンド

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そうすると、営業利益率が改善すれば株価が素直に反応する可能性は十分ある。改善させる方法は?というと、ここの場合は「オンライン化」。

かねてより業務のオンライン化に注力。面談・内見をWeb経由で行い、重説や契約書を電子化。鍵の受渡しも郵送で、来店不要・非接触の対応。スタッフの省力化に加えて、感染症対策という時流にも乗ってる。

ただ、内見の完全オンライン化は、どうかなぁ。私は現地の内見が好き。扉を開けて一歩入った時の高揚感。空っぽの部屋に新生活を描くワクワク。あれオンラインでは味わえないと思う。

オンラインなら移動不要で時短、そのぶん多くの物件を見られる良さもある。マイソクで説明する代わりにオンライン内見、図面より実際の部屋を見せる。この使い方はとても良さそう。

ハウスコムが取り組んでいる仲介業務のオンライン化が完了した暁には、「いい部屋ネット」への横展開(ハウスコムにとっては手数料収入)を期待したい。大東建託の「いい部屋ネット」は仲介件数首位(https://f-mikata.jp/chintai-cyukai-ranking2021/)。そこへのシステム展開があれば、相当な利用件数を期待できる。

割安感

ROA5.9%でPER31倍は、現状では高い。同業他社と比較しても若干の割高感。理由としては、業績の成長予想、業務オンライン化による利益率向上、大東建託によるTOB期待、といったところが一定織り込まれているか。

競合

上場企業だと、APAMAN(8889)、スターツ(8850)、ハウスメイトの東建コーポレーション(1766)あたりか。

親会社の大東建託も「いい部屋ネット」で競合になるが、親子間の相乗効果を出しやすいとも言える。

非上場企業だと、エイブル、ミニミニみたいな大手から、地場の不動産屋さんまで無数にある。

だけど購入理由が競合優位性ではないので、他社比較はあんまり意味ないですね。

そのほか雑感

「仲介業務のオンライン化」をもっと対外的にアピールしてほしいなぁ。時流に乗ってるし。

以上です

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