第65回グラミー賞。「Best Song for Social Change」について。

第65回グラミー賞。さて、主要4部門以外で私が注目していたのが、今回新たに新設された「Best Song for Social Change」
この最初の受賞者となったのが、Shervin Hajipour「Baraye」。イランのミュージシャンです。

この曲ができた経緯を、この曲の日本語訳が書かれているYouTubeに記載されている文章から引用いたします。

【2022年9月、イランの首都テヘランでマフサ・アミニ(Mahsa Amini)さんという22歳の女性が「ヒジャブの被り方が悪い」との理由で風紀警察に連行された後亡くなるという事件(風紀警察による暴行疑惑が持たれている)を発端に、大規模な抗議行動・反政府デモがイラン全土に広がりました。
そんな中、イランのSNSでも広まった女性抑圧的・権威主義的な政府当局に対する抗議の声を集めて作られたプロテストソング。
イランの歌手シャーヴィン・ハジプール(Shervin Hajipour)が作詞・作曲・レコーディングし、9月28日に自身のインスタグラムで発表しました。
「バライェ(برای / baraye)」はペルシャ語で「…のために(for)」の意味の前置詞で、女性差別や風紀警察による抑圧的な市民生活の統制、人権軽視、政治経済の腐敗、環境破壊、貧困など、イランの人々がデモに立ち上がる理由が一つ一つ歌われています。】

イランのミュージシャンが獲得した! とわかった瞬間に震えました。

私にはイラン出身の大切な友人がいます。
彼女は常に平和を祈り、発信し、活動しています。
彼女がイランの現状に心を痛めていることを強く感じ続けているだけに、私も同じ痛みでいます。
だからこそ、世界最大の音楽賞であるグラミー賞の「Best Song for Social Change」をイランのミュージシャンが獲得したことが嬉しかったですし、何より、この受賞で、今のイランで起きていることが、さらに世界に伝わるきっかけになると思いました。
この受賞により、一刻も早く、イランに安心と安全が訪れ、自由に未来を夢見ることができる平和をもたらしてくれることを願わずにはいられません。

私は、音楽には社会を良い方向に変える力があると信じています。
むしろ、音楽だからこそできること、音楽にしかできないことがあるのではないでしょうか。

私は、そういった音楽を作り出すミュージシャンを、その音楽を、大切に伝え続けていきたいです。

今回、グラミー賞がこのような賞を新設したことは、とても大きな意味があることですし、確実に希望に繋がると思います。

今年はグラミー賞が発表されているときに、世界で最も多くの難民を受け入れているトルコで大きな地震があり、2011年の内戦勃発以来、危機が続いているシリアにも甚大な被害が出ています。苦しんでいる人たちが多い場所で、なぜまたこのようなことが起きるのだと、胸が張り裂けそうな気持ちでいます。

どうか今年こそは、少しずつでも、一人でも多くの人が、苦しみや悲しみから救われることが増えていきますように。そして、私自身も平和な日々への、私ができる行動を続けていきたいと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?