【小説】遠い日の飛行船 #4-2 まさかの出会い
はっ!と、思わず甲高い声を出してしまった。この静かな場所で、近づく足音にも気が付かなかったなんて。
「あっ、すみません。驚かせてしまって」
すかさず謝るその人物は若い男性で、赤いウインドブレーカーが腰に巻き付けられている。
まさか……。
「いえ、こちらこそすみません。あ、あの……もしかして、SHUNさんですか?」
勢いで言ってしまっていた。赤いウインドブレーカーだからといって本人だと言う確証などないと、頭では理解していながらも。
目の前に立つその男性は、私の言葉を聞いて明らか