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第1子の保活で地雷を踏まないために、誰もがチェックするべき第三者評価指標3つのポイント。

きよ耳と申します。都内の総合広告代理店でマーケティングとかプロモーションとかやってます。

ところで私には2人の息子がおりまして、毎日保育園にお世話になっています。第一子である長男の時の保活は当然苦しみまして、頑張って入園・復帰して思ったんですよ。

保育園の(良くない)口コミって、ネットには落ちてないんだな・・・!

というのも、保育園入園後に地域のママ友ができ始めると、「あそこの保育園はどうやらトラブってるらしい」とか、「区の立ち入り検査でかなり指導が入ったらしい」とか、「職員が抗議で一斉離職したらしい」とか、色々耳に入るようになるんですよ。でも当事者の保護者は子供を預かってくれている保育園に口コミ投稿が身バレしてトラブルになる可能性もありますから、そういった情報はネットの口コミじゃ中々書けないんですよね。

そしてトラブル園だったことに気がついた時の親御さんの心痛たるや。「保育園落ちた日本死ね」の世の中ですので、そう簡単に転園先を見つけられるはずもなく、かといって復帰もしていて預けざるをえず・・・という状況は本当に辛いものです。

あくまでフォロワーの範囲レベルのアンケート結果(以下参照)になりますが、第一子の保活の情報源として「園の見学」が全体の77%と大半であり、第一子がゆえに「ママ友の”ナマの情報”」を参考にできている方は非常に少ないです。

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そこで、です。

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http://www.fukunavi.or.jp/fukunavi/hyoka/hyokatop.htm

東京都福祉サービス第三者評価という制度で、東京都が都内の認可・認証保育園などに関して、利用者の保護者に対してアンケートをとって評価していて、誰でもネットから読む事ができます。網羅されていない施設もありますが、民間の保育園口コミサービスに比べたら網羅されている範囲は広い間違いないでしょう。第三者評価の内容は利用者のサービス満足度を測る利用者調査と、事業所の組織経営や現在提供されているサービスの質を評価する事業調査の2つがありますが、利用者調査に関しては基本的に同じような項目でデータが取られているので、それぞれの園が他と比べてどの程度満足されているのか、数値で比較する事が可能です。

例えばとある園の平成30年度利用者調査の満足度評価。こんな感じです。

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ところでこの満足度アンケート結果、数字の見方に難点があります。

どの園も満足度の平均が結構高いんですよ。

ちなみにうちの近所23園で書く評価項目の平均を並べてみたところ、全園の各項目の満足度の平均が81%。たとえばこれより数%低いだけの平均満足度が77%の園があった場合に「どれぐらい評価として低いのか?」ということが、ちょっとわかりづらいんですよね。ほぼ8割が満足していたら別に悪くないんじゃないの?という見方もできなくはありません。

そこで、ちょっと統計的にいじりまして(ここでは標準偏差というものを使います。)「その園の満足度がどれぐらいなら良質と言えるのか?」を出してみたいと思います。ちなみに情報はマスキングしていますので特定の保育園名は公開はしません。

内容としては以下です。

1. 満足度平均が何%だったら安心できそうか?

2. 区立保育園を見る時に見ておくポイントは?

3. 特にチェックするべき評価項目は何か?

ちなみに、ご自身の近所のエリアの保育園を評価するためのエクセルファイルのダウンロードURLも付けています。このファイルを使う事で、ご近所の認証・認可園においてどの園が上位に評価されているかを計算する事ができます。あくまで「統計上言える」という範囲ではありますが、ご参考になれば幸いです。ファイルのダウンロード部分から有料としています。それではいってみましょう。

1. 満足度平均が何%だったら安心できそうか?

今回の評価を行うにあたって、平成27年〜30年の間に評価されている認証園/認可園を23園ピックアップしました(保護者の回答者数は約1,000人程度)。標準偏差ではじき出した数字が実際に周囲から漏れ聞こえる生の口コミと相関していそうか判断するため、良い評価も悪い評価も知りうる私の近所のエリアでピックアップしています。もしかしたらエリアによってこの標準偏差の数字が変化する可能性はありますので、この記事の最後にみなさんがご自身でご近所の保育園が自動で評価できるようにエクセルファイルを公開していますので、ご興味があればご活用くださいませ。

また、平成27〜28年と、平成29年〜30年で保護者に対して行なわれているアンケートの設問に微妙に違いがあるので、共通して聴取されている以下の設問項目を評価対象としています。(かつ、保育園によってかなり変動の激しい評価項目である「外部の苦情窓口にも相談できることを伝えられているか」に関しては、データのばらつきを抑えるため今回は対象外としました。)

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上記項目の満足度評価の平均値を各園で出し(上記の14項目で「はい」と回答している人の割合の平均。項目ごとの%の数字を全て足して14で割ったものですね)、その結果が全園の中で「どれくらい良いのか?悪いのか?」を出しています。さて、まず結論から申し上げますと、私の近所の23の認証・認可園に関しては以下の結果となりました。

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ちょっとややこしいので、以下にまとめています。

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こういう感じで、エクセル関数等で標準偏差使って散布図を描き、園の平均評価によって、上位%に含まれるか?を出しました。用いたエクセルはこんな感じ。(数字が苦手な方は読み飛ばしてください)

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ちなみに私の知る範囲で、確かにこの平均満足度77%を下回る園はよくない噂も聞くことがあり(区から改善指導を受けている、保護者会ともめているなど)、逆に86%以上の園についてはすごく評判の良い園になっています。ということで、一応実際に即した数字になっていそうです。つまり「平均から5%低いだけの保育園でも、注意した方が良い可能性がある」ということになります。意外と僅差じゃないですか・・・?

下でダウンロードできるエクセルファイルについては、各園の評価項目の数字を入れたらオートで「満足度評価の平均が何%であれば近所のエリアにおいて標準的な園であると言えるのか」が出るようになっています。ダウンロードいただき、第三者評価のサイトを見てポチポチ入れる地味な作業になりますが、よろしければご活用ください。

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2. 区立保育園を見る時に見ておくポイントは?

ところで評価に採用している14項目のうち、区立保育園が目立ってポイントを下げている項目があります。

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「保育時間の変更は、保護者の状況に柔軟に対応されているか」と「行事日程の設定は、保護者の状況に対する配慮は十分か」の2項目です。これは私の住んでいる区の区立保育園が区立ゆえにスポット延長などの制度が使える人数が決まっていることや、イベント実施日が平日に限られていることが影響しているようです。

パッと調べる限り、この傾向は都内のいくつかの区において少なくとも当てはまるようですね。これらのことをいったん「保育の質」を考える上で外しても良いと思うようでしたら、区立保育園についてはこれらの項目を省いて考えても良いのかなと思います。逆に、制度としてスポットでの延長保育などを確実に使いたい、という方に関してはこれらを鑑みた全ての点数を使って、園の評価をした方が良いのではないかと思います。


3. 特にチェックするべき評価項目は何か?

さて14項目に関して見てまいりましたが、園の平均満足度が下位15%に含まれる園は、特にどういったポイントが「不満足」につながり、逆に上位15%が「満足」できる理由て何なのでしょう?14項目のうち、その数値が平均満足度に特に影響を与えていると思われているものを、相関係数を取ってみてみました。相関係数0.7以上が「強い正の相関が見られる」と言われていますが、ここにおいては以下の3つの項目がこれに当てはまります。

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最も相関係数が高くなっているのは「子供同士のトラブルに関する対応は信頼できるか」。これ、特に乳児のタイミングでの保活では想像しづらい事なんですが、子供同士のコミュニケーションが活発になる3歳を超えてくると確かに非常に重要なポイントです。実際にとても実力のある保育士さんになるほどこちらの対応力はすばらしく、子供達同士で喧嘩が起こっても親を巻き込んだトラブルにはほとんど発展させずに子供達の成長につながるように配慮してくれます。そういった少しステップが上がったところでの保育ができる環境にあるか?がもしかしたら満足度に大きく影響するのかもしれません。特に乳児期だけでなく卒園まで通う事が前提となる認可保育園に出す親御さんは、チェックしておいて損はないでしょう。

その他の「子供の保育について家庭と保育所に信頼関係はあるか」「職員の待遇・態度は適切か」についても、各園の特色に左右されない非常に納得感のある項目です。希望園のこれらの項目が他の園に比べてどうか?という事も、チェックの上で大事なポイントとなるかもしれません。

さて、ここから先、ファイルのダウンロードとその使い方については有料とさせてください。

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