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ソクラテスとわたし

たまたま、ソクラテスの言葉を知った時
心にぐさりと刺さる物があった。

ただ己を守る為だけの
取り繕った、鎧が
いかに脆いものかを痛感した。

自分は狭い世界の中に生きているのに
私はいつも
己がさも賢いように装って、見栄を張って
自分の正しさを
正義のように振りかざし

ぎゃーぎゃー騒ぎ立てていた。
守りたかった。自分の価値を。

でも、それは
知らない所で、誰かの尊厳を傷つけ
誰かを妬み、誰かを貶めようとする。

自分の保身の為だけに。

The only true wisdom is in knowing you know nothing.

【唯一の真の英知とは、自分が無知であることを知ることにある。】

そしたら、知りたくなった。
どんどん気付きたくなった。
私のフィロソフィアを見つけたくなった。

偉大な人の言葉を知って、自分と重ねたら
下らない虚栄心を恥じた。
わかった気でいた事は
実は何もわかってはいなかった。

何に見栄を張る必要があったのか…
目に見えない自分の虚像と闘ってまで
何を手に入れたかったのか。

それさえ、気付けたら

ほんのささいな言葉や態度に
隠された思いやりや優しさに
気付く事ができた。
きっと自分が何も知らないという真理に
気付けたから。かな…

若い頃は、高価な物や過剰な優しさにしか価値を見いだせなかった。

でも今は、違う。
どんな小さな出来事でも、そこに
あったかい感情が生まれる。

会えない友が、私を忘れている訳じゃない。
私が大切に想えば、それでいい、
幸せならそれだけでいい。

そして、会えた時に
全力でその時間を共有できたらいい。

出会った人に…

ほんとに、ありがとう。

大切なものを思い出させてくれて。
いつも私を私と認めてくれて。


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