マガジンのカバー画像

KKV Neighborhood

195
KKV Neighbourhood『Talkin bout MoshPit & DanceFloor & Living』はライブやパーティーのフロアで感じたこと、心が動かされた音… もっと読む
運営しているクリエイター

記事一覧

TORR -ここはかつてのシカゴじゃない、東京の今だ- by 長谷川文彦

KKV Neighborhood #218 review - 2024.5.8 TORR review by 長谷川文彦 ネットを徘徊していておもしろそうなバンドに出会うというのは至福の時である。TORR(トルと読む)というバンドのことを知ったのは昨年の12月ぐらいだ。Xのタイムラインを眺めていたら、ソニック・ユースやスワンズを引き合いに出して彼らを紹介するポストが目に留まってピンと来た。チェックすると音源がいくつか出ていたのでまずは手に入るCDを購入。こういうことはすぐや

Mak! garc!aインタビュー 「ニッチ、フレッシュ、サイケデリック」

KKV Neighborhood #217 Interview - 2024.5.2 interview / text / edit:木村直大 Mak! garc!a(以下Mak!)という切り絵作家がいる。今日日切り絵とは、実にニッチである。切り絵を使った映像作品や切り絵とOHPを組み合わせたVJも行っている。益々ニッチである。ニッチの3乗くらいである。考えてみたら、自分の人生で切り絵を観たり、ましてや切ったりしたことある経験なんて数えるほどしかない。いや、切ったことなんて

Resonance / WAR IN MY POCKET e.p.に寄せて

KKV Neighborhood #216 column by 4x5chin (KYO-TEKI) 2024.4.19 90年代中盤から脈々と続くメロディックパンクの名産地、SENDAI CITYにて結成されたブライテストホープ、Resonanceが珠玉の4曲を詰め込んだ7inchをリリース! 喜びも儚さも、味わった感情や思いを愚直に吐き出し、自分の好きなものを信じて鳴らす音。自由に詰め込まれたメロディーと歌詞、彼らの魂と衝動を昇華させた演奏は、聞き手それぞれの内情に響

acloudyskye『There Must Be Something Here』 壮大さと拙さの狭間にあるセンチメンタリズム by 管梓(エイプリルブルー)

KKV Neighborhood #215 Disc Review - 2024.4.11 acloudyskye『There Must Be Something Here』review by 管梓(エイプリルブルー)  以前こちらの企画にて、ダブステップからThe 1975を思わせる80s~90s風味全開のベッドルーム・ポップへと転身を遂げたプロデューサーAstraleをご紹介したが、今回取り挙げるSkye Kothariによるソロ・プロジェクト=acloudyskyeも

Waxahatchee 『Tigers Blood』 空を見上げたくなる音楽はグッドミュージックだ by Kent Mizushima (to'morrow records)

KKV Neighborhood #214 Disc Review - 2024.4.8 Waxahatchee 『Tigers Blood』 by Kent Mizushima (to'morrow records)  Noah Kahanのようなアーティストが大ヒットし、今ではBeyoncéまでもがカントリーやアメリカーナをテーマにしたアルバム『COWBOY CARTER』をリリースするなど、少し前までは”ダサい”と言われ、年齢層高めのアメリカ人だけが聞いているジャンル

ヤマジカズヒデ (dip)インタビュー

KKV Neighborhood #213 Interview - 2024.4.6 インタビュー、構成 by 与田太郎 Top Photo by Emily Inoue 写真提供:屋根裏は地下室 1989年にインディー・レーベルのバイトから東京のインディー・シーンに入り込んだ僕にとってdip、もしくは前身であるDip The Flagはいつも遠からず近からずなんともいえない距離感のある存在だった。その孤高とも見えた佇まいと彼らの奏でるシャープなロックは時に羨ましいほどクー

斉藤正人 (Pervenche) x 佐鳥葉子 (Penny Arcade)対談

KKV Neighborhood #212 Dialogue - 2024.3.19 斉藤正人 (Pervenche) x 佐鳥葉子 (Penny Arcade)対談 進行、構成 by 与田太郎 2022年リリースのPervenche『quite small hapiness』が静かに世界へ広がっている。このアルバムのリリースがきっかけとなり※800 cherriesやClover Recordsのカタログ再発へと繋がった。いろんな出来事の起点となったこのアルバムを紹介し

sugar plant『happy 2024 Remaster』制作時の背景について by 与田太郎

KKV Neighborhood #211 Disc Review - 2024.3.1 sugar plant『happy 2024 Remaster』review by 与田太郎 僕がこの仕事を始めたのが1990年、振り返ればもう34年も続いている。これまでに制作で関わった作品は200から300タイトルぐらいはあるのではないだろうか、我ながらよくもまあここまで続いてきたものだと思う。思い出深い作品は数多くあるが、いちばん意味深いのがこのアルバムだ。それは人生の大きな分岐

JUZU aka MOOCHYインタビュー後編

KKV Neighborhood #210 Interview - 2024.2.13 インタビュー、構成 by 小野田雄 インドやパキスタンでレコーディングした様々な素材を軸に、国内の音楽家たちの助力を得て、昨年12月にJ.A.K.A.M.名義の新作アルバム『FRAGMENTS』を発表したDJ、プロデューサーのJUZU a.k.a. MOOCHY。世界各地の音楽家たちとセッションを重ねながら、唯一無二のダンストラックを生み出し続けてきた彼の音楽遍歴、キャリアは多岐に渡り、

COALTAR OF THE DEEPERS x Boris対談、Live Report

KKV Neighborhood #209 Dialogue & Live Review - 2024.2.9 対談進行、構成 by 与田太郎 Live Report by 恒遠聖文 Photo by Emily Inoue Coaltar Of The DeepersとBorisはどちらも90年代初頭に活動をはじめ、そのキャリアは共に30年を超える。どちらもエクストリームなスタイルを貫き通し、今もシーンを超越した存在感を放つ。先月スプリットとしてリリースされたアルバム『h

800 cherries『romantico』四半世紀を経て甦った渋谷系の隠れた名盤 by 管梓(エイプリルブルー)

KKV Neighborhood #208 Disc Review - 2024.1.30 800 cherries『romantico』review by 管梓(エイプリルブルー)  自分の肌感覚として、日本の音楽をアクティブに掘り下げる海外の音楽リスナーはまだまだマイノリティだが、そのマイノリティは異様なまでの情熱を持って向き合っており、おかげで日本では決して認知度が高いとは言えないバンドが海外発信で国内以上に人気を得るケースが多々ある。わかりやすい例がシティ・ポップや

JUZU aka MOOCHYインタビュー中編

KKV Neighborhood #207 Interview - 2024.1.26 インタビュー、構成 by 小野田雄 トップ画像 ClubAsia 2023 photo by ZUKKA (VIDEOGRAM) インドやパキスタンでレコーディングした様々な素材を軸に、国内の音楽家たちの助力を得て、昨年12月にJ.A.K.A.M.名義の新作アルバム『FRAGMENTS』を発表したDJ、プロデューサーのJUZU a.k.a. MOOCHY。世界各地の音楽家たちとセッション

Coaltar Of the Deepers x Boris『hello there 』 遍在する7つの異空間 by 清家咲乃

KKV Neighborhood #206 Disc Review - 2024.1.24 Coaltar Of the Deepers x Boris『hello there 』review by 清家咲乃  “Hello there.” 気安い挨拶が交わされる。COALTAR OF THE DEEPERS(以下COTD)とBorisという二つのバンドのあいだで。あるいは、彼らから私たちに向かって? とにかく、このスプリット・アルバムがそう気難しいものでないことは確かだ。

JUZU aka MOOCHYインタビュー前編

KKV Neighborhood #205 Interview - 2024.1.10 インタビュー、構成 by 小野田雄 インドやパキスタンでレコーディングした様々な素材を軸に、国内の音楽家たちの助力を得て、昨年12月にJ.A.K.A.M.名義の新作アルバム『FRAGMENTS』を発表したDJ、プロデューサーのJUZU aka MOOCHY。世界各地の音楽家たちとセッションを重ねながら、唯一無二のダンストラックを生み出し続けてきた彼の音楽遍歴、キャリアは多岐に渡り、そして