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30代後半IT法務の初転職 ~面談・面接篇~

転職記第四段は、面談とか面接について。

面談と面接の違いとは?

転職活動において、「面談」と「面接」という言葉がよく出てくる。「面談」は、選考ではなく単に話を聞きに行く機会をいう。「面接」は、選考に入っているということを指す。転職エージェントとは、面談をすることはあっても、面接をすることはない。

面談は、まだ応募するかどうか分からないが、とりあえず企業のことを知るために「話を聞きに行きたい」という求職者のニーズと、ハードルを下げて求職者と会う機会を増やし、そこで「有力な求職者の志望度を引き上げたい」という企業側のニーズを基に存在するものと言えよう。Wantedlyが広めたイメージがある。

私も、転職活動初期段階は「面談」を中心に活動していた。

面談の利用法

面談は、軽い気持ちで企業側の人間に会えるという点で、基本的には有益ではあるが、そうならない場合もある。というのも、企業側の面談担当者が、面談と面接の違いを理解していないケースがあるからだ。熱烈なスカウトを受けたからって喜び勇んで出かけて行っても、塩対応されることだってある。応募したわけでもないのに落選の通知が送られてくるという辱めを受けることだってある。

面談では、基本的に企業の担当者(小さい会社だと、ナンバー2的な役員が出てくることも多い)が、直々に会社の説明をしてくれるところから始まる。しかし、これも担当者によってはいきなり「なんか聞きたいことあります?」的な始め方をされ、戸惑うことがある。なので、面談に行くときは、面接に行く時以上に会社のことを下調べして、質問リスト等を持っていかないと、話すことがほとんどなく、お互い無駄な時間を費やすことになる。

求職者にとっては、質の高い面談をする企業は印象が良く、選考に進めて欲しくなる。企業側も面談の位置づけをしっかり考えておいて欲しい。互いに必要な準備をして、有益な機会にすべきである。

私の場合は、初転職であり、12年ぶりの採用面接という状況にもあったため、面談を多く経験することが面接の練習にもなった。多くの採用担当者と会うことで、一般的にどんなことを聞かれて、どんなことを求められるかが分かってくるので、あまり緊張しなくなってくる。

ただし、面接と違って明確な結果が出ないことが多いので、必要以上に実施する必要はなく、ある程度興味を惹かれるが判断に迷うというレベルの企業に絞るのが効率的である。会ってみて感触が良ければ、面談の最後に「是非選考に進めてください」的なアプローチをすることで、話が早くなる。

面接の苦手意識

私は、面接が大嫌いだった。そもそも私は12年前のアルバイト採用の面接が最後の採用面接であるが、当時の自分は音楽以外何もできない社会不適合者と自認していたので、仕事についてアピールできることがあまりに少なかった。その前の仕事で一生懸命やってたよ、という事ぐらいだった。世間の真っ当な社会人は、自分とは全く違う人種で、もっと言えば「奴らは敵である」ぐらいの気持ちだった。そんな風にガードを上げつつも、自信がないから、毎度面接は緊張しまくって、落とされまくっていたものである。

そんな過去のトラウマから、面接というものに苦手意識をもっていた私だが、面談の初めの頃から、全然緊張せずにリラックスして話ができたことに自分で驚いた。「私ってば本当に成長したんですね、もうパンクロッカー(的な何か)ではないんですね」と実感した。

しかし、緊張せずに話せるからと言って、簡単に選考を通過できるわけではない。自分で改善すべきところに気づける場合もあるが、それなりに楽しくお話が盛り上がったりすると、むしろ何がダメだったか分からない。

エージェントの活用

面接の改善については、転職エージェントが大いに役立った。私の転職活動に置いて、転職エージェント経由で応募したのは3社だけだった。そのうち1社は、オススメされた企業に書類選考で落ちて、理由も伝えられず、エージェントの存在意義を疑いもしたが、あとの2社は落選後、ちゃんと企業からのフィードバックを伝えてもらえたのが良かった。

フィードバックその1

落ち着いて話をされていましたが、話が冗長になりがちな点が気になりました。体系立てたお話をいただけますとより印象が良くなったと思います。

これは、転職活動の本当に初めの頃に行った面談でもらったコメントの一部である。当初は、できるだけ自分のことを知ってもらわなきゃという気持ちから、必要以上に長く話しがちだった。実績やスキル面についてのコメントが一切なかったのは残念だったが、このフィードバックを初期にもらえたのは良かった。

フィードバックその2

・感情の起伏があまりなく、何を考えているのかよく分からなかった。
・本当に法務の仕事が好きなのか不明だった。
・いつも一人の部署に配属されるのは、何かコミュニケーションに問題があるのかと思った。

これは転職活動後期の一次面接のフィードバックである。面接は和やかで話も途切れることなく良い雰囲気であり、そこそこ手応えがあった後のフィードバック。別途もらった能力面へのコメントは好意的だったのだが、ここに掲載した人物面へのコメントは随分辛辣だった。

分かりやすい熱血漢を求めているのであれば、私は明らかに違う。私は、むしろ、感情の起伏が激しい人の方が、いつ怒り出して、いつ泣き出すか分からないので怖い。ここは見解の相違であろう。

「法務の仕事が好きか不明」というのは、新鮮な観点だった。好きかどうかは、そんなに重要な観点とは思っていなかった。だから、法務の仕事のどこにやりがいを感じているかと言う事を、つい言い漏らしていた。最初の経歴紹介の際に、成し遂げたことだけでなく、どういうところに面白味を感じたことも、あわせて言うように方向修正できた。

3点目の指摘は心外としか言いようがない。内部監査はともかく、1人法務にコミュニケーションに問題のある人間を配属したら、色々滞って、法務が機能しないと思うんだが…。

この指摘群を見ると、熱くて陽気な分かりやすいタイプの人を求めていたように見えるので、合わなかっただけとも割り切れるが、客観的に、自分がどう見られているか、これだけ細かくフィードバックをもらえる機会はないので、大変参考になった。

内定をもらったのは、この次に受けたところなので、良い糧にさせてもらえた。

次回は、内定篇予定。

続く ⇩


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