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拝啓、いつかの約束の君へ


今回の記事は、映画「かがみの孤城」のストーリーについて、ふんわりとネタバレを含んでいます。
ネタバレやだよ〜ん!って方は、映画をご視聴後に読まれることを推奨いたします。




映画「かがみの孤城」の印象的な“ひと仕掛け”


こんばんは、けんちじです。んハロ!
2/9に金曜ロードショーにて放送された、「かがみの孤城」を観ました。


とってもいい映画だった……。もう。あの、3回くらい泣きました!!!!!うそ、4回だったかもしんない。あのでも、泣ける描写も勿論あるんですけど、視聴後は明るい希望感が余韻として残りました。
中学生の繊細な心の動き、いじめや不登校の原因といった現実描写のリアリティは見事なものでした。ですが原作が児童書ということもあり、登場人物のキャラクターは皆親しみやすく、一人一人の未来に希望を持てる前向きなストーリーでもありました。

また、詳しい内容はふんわりボカしつつ語りますが……最後まで視聴すると明らかになる、本作のようなタイムパラドックスの仕掛けは、私の好きなやつです。どことなく、「君の名は。」という映画のラストを思い出したりして。


私が特に印象に残ったのは、主人公が孤城にて出会う人物が、現実世界で交流を持つある人と実は同一人物だった……!という真実が開示されるシーンです。
主人公は記憶を無くしているけれど、「孤城」にてその人物を助けており、別の世界線=「現実」では逆にその人物に助けられることになります。

物語にフィクションとしてこういう“ひと仕掛け”があると、私は安直に「わあ!!!おもしろい!!!よく考えてるなあ!!!」とどんでん返しを喜んでしまいますが、それと同時に思うことがあります。

「実は私も、すっかり忘れてしまったいつかの誰かとの、大切な“約束の記憶”が、本当はあったんじゃないか?」って。


なぜか、誰かの手によって編まれたフィクションの世界観が、そのすべてが、私の奥の真実を説明しているような、そんな気がしてくるのです。


“私たち”にまつわるパラドックス


本当は忘れちゃダメなやつ、あったんじゃないか?
本当は目の前の貴方の為に、果たしたくてしょうがなかったこと、あったんじゃないか?
今ここを生きる私の人生に「貴方」が“再び”登場してくれたことの奇跡を、私、忘れちゃいけなかったのに、大切に持っておかなきゃいけなかったのに、うっかり当たり前みたいに生きちゃってるんじゃないか?


よく、自分の周りにいる人は、みんなが自分の「ソウルメイト」なのだといいます。
ソウルメイト同士はお互いがお互いの成長のために、役割を担い合う。例えば、過去生で「厳しい上司」と「蹂躙されるがままの部下」という“役”をやったなら、別の人生では二人は出逢い直し、カルマを解消するために今度は真逆の立場で似たような状況を共同創造することもある。……というのを、聞いたことがあります。
上にも書いた「ある世界で助けた人物に、別の世界線で助けられる」という「かがみの孤城」のシチュエーションとこの説は、似ていると思います。


ときどき私が巡り合わせで出逢った人の中には、あまりにも私に対して優しくて親切で、「一体なんでこの人は、こんなにも私にいつも優しくて側にいて、助けてくれるのだろう?私はなにもしてあげられていないのに。」と思ってしまうことがあります。

大学生の頃、いつも一緒にいてくれた友達がそうでした。彼女とは、あんなにもいつも一緒にいたのに、大学を卒業すると、お互いにパッタリと連絡を取り合うことはなくなりました。
別に嫌いになったわけじゃないんです。私は今も、友達だと思っています。彼女も一緒にいた頃は、「けんちじちゃんとはこれからもずっと続いていきそうな気がする」と私に言っていて。きっと、嫌われたなんてことはないだろうと思うんです。
ただ、時間になった。期限が来た。お互いに人生のステージが変わっただけなんだろうって。

今思えば、あの子と私の間にも、いつか覚えのない“約束”があったのかもしれない、なんてことを少し思うんです。
まあ、しょうもない妄想なんですけど。
あるいは約束なんてなくても、私が魂になって天に昇ったあとには、また生まれ直して出逢い直して、次は私が彼女に恩を返すのかもしれない……なんて。


今目の前にいる人についてだって、“約束”があるかもしれないのです。
相手との、あるいは自分の魂に誓ってきた“約束”が。
その思いにかなう為にも。思い出そうとして、思い出せるわけじゃなくても、どうか今あるだけ真摯に、誠意を尽くしたいものです。

だってそうしないと、“あちら”に還ってから、すべての真相を思い出した暁には、「あっちゃ〜〜〜〜〜〜〜!!!!」ってなるじゃん。
「生きてた頃の私、バカヤロウ!!!!その人だよその人!!!!お前が探してた人その人ぉ〜〜〜〜〜〜!!!!な〜に無視してくれちゃってん!?!?お前の目、そこまで節穴に初期設定してないが!???!?」ってキレちゃうかもしんないじゃん。そんなん、居た堪れないって。

そんなことで。出逢いもご縁も大切にできたらいいな。
貴方との出逢いは、私が自分で思う以上に、エモーショナルで奇跡的でドラマティックな巡り合わせなのかもしれないのだから。
貴方はいつかの私が願ってやまない、奇跡の人なのだから。

そんなことを思わせてくれた作品でした。


おわりに


実は昨夜は金ローの時間に予定を入れてたんですが、やっぱり「かがみの孤城」観たい!と思って、予定を強引に切り上げて観ました。結果、よかったです。また一つ、素敵な映像作品に出逢えて嬉しかった。
最高の巡り合わせに乾杯です。

最後に。
前から私を知っていてくださる方も、この記事が初めましての方も。ここまで読んでくださり、ありがとうございます。
貴方が私を見つけてくれたこと、私に出逢ってくれたこと、小さな奇跡に祝杯を。

いつかの約束の君へ。


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