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5分で分かる歴史背景「女王陛下のお気に入り」

アン女王(1665-1714 即位:1702-1714)と彼女を巡る二人の女の熾烈な戦いを描く「女王陛下のお気に入り」。今回は鑑賞前に知っておくともっと楽しめそうな背景知識をサクッと紹介する。(画像はIMDbより)

人物篇

・アン女王 (オリヴィア・コールマン)
スチュアート朝最後の女王。別名"ブランデーおばあちゃん"と呼ばれるほどブランデー飲みまくっていた。生涯18回(諸説あり)妊娠したとされているが、6回の死産と6回の流産を経験し、他の子供たちも乳児の間に亡くなっている。諸説ありと書いたのはうち2回くらいは想像妊娠だったのではと言われているから。

また、肥満体質だったらしく、宮廷の移動は車椅子を使用していた。晩年は肥満が加速し、棺が正方形だったとまで言われている。

・マールバラ公爵夫人サラ 1660-1744 (レイチェル・ワイズ)
姉フランセスが(後の)アン女王の母親の女官になったことがきっかけで幼少期からアンと知り合う。このときサラ15歳、アン10歳くらい。サラはアンの結婚を機に出世を重ね、アンが女王になると彼女への支配力から様々な恩恵を受けるようになる。が、史実として宮廷にはあまり居なかったらしい。

・アビゲイル・ヒル 1670-1734 (エマ・ストーン)
彼女がやってくるとこから映画が始まり、出自は映画で語られるので割愛。

出来事篇

・スペイン継承戦争(1701-1714)
スペインの王族の跡継ぎが居なくなったため、血縁関係にあるフランスとイギリスが後継者争いを始める。土地が欲しかったフランスに対してイギリスは勢力を均衡させるために戦争の準備をしつつ和平の道を探っていたところ、スペイン王家最後の王が亡くなったため交渉決裂→戦争勃発という流れ。
作中で言及される"異国での戦争"はこのこと。結局戦争自体は和平条約の締結で終結し、イギリスとフランスの君主が変わったことで協調関係を重視していくことになる。

最後に

この作品が気に入った方には是非「バリー・リンドン」という作品を見て欲しい。作風が非常に似ている。

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