見出し画像

【実績のご紹介】商船三井様 脱炭素の新規事業チームへの当社プログラム提供を終えて

株式会社商船三井様において脱炭素関係の新規事業の立ち上げを担当するチームに、2022年6月から2023年1月までの約半年間、当社の「インパクト・アクティベーション・プログラム」へご参加いただきました。
インパクト・アクティベーション・プログラム(以下、「IAP」)は、事業を通じて社会変化(インパクト)を起こすことを目指す組織を支援するために、インパクト測定・マネジメントの知見をもとに当社が開発した独自プログラムです。

今回は、商船三井様へのご提供事例をご紹介しつつ、そのプロセスや学びなどについて書いてみたいと思います。
※実績の概要については後日当社ウェブサイトに掲載予定です。

クライアントチームのニーズ・課題

1. 事業がもたらす社会変化(インパクト)の指標を作る

クライアントチームは、脱炭素・環境対策において事業成果を出しながら、同時に事業対象地域の住民の生活、ジェンダーバランスや環境意識の向上にも寄与したいという幅広いご希望をお持ちでした。
それを叶えるため、事業が実現したい社会変化(インパクト)を整理した「インパクト設計図」と、事業がもたらすインパクトを測定する「指標」を作りたいとのお話をいただきました。

2. 社内の理解を高め、更なるサポートを得る

1.に加え、事業の成功のために今よりも社内での理解や認知を高めたい、社内からさらなるサポートを得たい、という課題もお持ちでした。


IAP導入のプロセス

本プログラムは、大きく二つのフェーズに分けて実施されました。

  1. 事業のインパクト設計、指標の策定

  2. ステークホルダー(チーム外の商船三井社員)への働きかけ計画策定

それぞれの詳細は以下のとおりです。

1. 事業のインパクト設計、指標の策定

まず、「事業を通じた社会変化(インパクト)」という考え方の概要を共有した上で、新規事業の「インパクト設計」を手順に沿って進めていきました。
その中で、事業の主目的である脱炭素以外に、事業対象地域にもたらすインパクトを整理・可視化したい、というチームの意向に焦点を絞ってプログラムを進めました。「現地でのインパクト創出」の観点から、事業の中でのチームの役割やステークホルダー(関係者)との関わり、時間軸、インパクト指標などを明確にします。

2. 重要ステークホルダー(チーム外の商船三井社員)への働きかけ計画策定

プログラムの第2フェーズでは、チームの事業に対する社内からの理解やサポートを得ることを目的に、他の商船三井社員への「働きかけ」の計画を策定しました。
チームとのヒアリングで明らかになった要望に基づき、当社の「行動変容」の理論に基づいてきめ細かく実行計画を策定することにしました。
チームが今まで感じてきた課題感や疑問などを共有していただき、整理して、そこから計画を作っていきます。その過程で、この計画が突破口になるかもしれない、というチームの期待感がひしひしと伝わってきました。
そして、実際にプログラムと並行する形で社内での様々な働きかけの行動が開始されました。

一旦、当社が伴走支援する形でのプログラムは終了となりますが、3ヵ月後、半年後などの節目に、当社からのフォローアップもさせていただく予定です。


プログラムの成果

  • 対象事業が対象地域において創出する社会変化(インパクト)が明確になり、そのための道筋と、必要な活動、成果を測るためのインパクト指標が整理された

  • チームの事業が社内でより多くの理解・サポートを得るための計画が策定され、実際の行動開始に結び付いた

  • インパクト設計の手法、および「行動変容」の理論に基づいたステークホルダーへの働きかけの計画策定の手法を、今後チームが継続的に活用する基盤が整った


クライアントからの声

ご参加いただいたメンバーの方々からは、下記のような声を頂戴しています。

・これまでこのような形で自分たちの考えをまとめた資料はなかったので、部内でのコミュニケーションに役立つと思います。

・もやもやと思っていた実現したいことが、プロセス含めてクリアになりました。

・概念についてはチームメンバーもよく理解できたので、今後思考整理の枠組みとして活用していけるのではないかと思います。

・新たな視点から体系立てて物事を学ぶ機会が得られて良かったです。

・チームメンバー同士でしっかり議論する機会になりました。


体系立てて事業のインパクト設計を行う意義

6カ月にわたって参加型のセッションと事前ワークを行う当社プログラムに参加していただくことは、日々の業務をかかえるご参加者様にとっては、少なくない時間的投資になります。
しかし、今回ご参加くださった新規事業立ち上げチームは、脱炭素と並んで事業対象地における社会的インパクトの実現にも寄与したいという真摯な想いをお持ちで、その時間的投資を行ってくださいました。

その結果、当社代表の紺野が長年国際協力の現場で培ってきた、事業を通じたインパクト創出の知見、インパクト測定・マネジメントの知見を、チームの皆様にしっかりと吸収いただくことができました。

チームで立ち止まって考え、協議の時間を取っていただけたからこそ、①事業のインパクト設計、指標の策定においても、②ステークホルダーへの働きかけ計画の策定においても、チームにご納得いただける質のものがご提供できたと感じています。当社にとっても本当にありがたく、貴重な経験となりました。

商船三井様のような大企業に対する、6か月におよぶ規模のインパクト・アクティベーション・プログラムの提供は、当社にとって初めてのものでした。ニーズやご要望にお応えできるよう、手探りしながらのご提供で、至らぬ点も多々あったにもかかわらず、辛抱強くお付き合いいただいたチームの皆様に、この場を借りて心からのお礼をお伝えし、今後の事業の発展をお祈りすることでこの記事を締めくくりたいと思います。

社会課題解決を起点とした事業の立ち上げというのはそれだけでもチャレンジが多いものですが、その後、実際に収益とインパクトを持続的に創出するという点でも、多くの企業で課題に感じているところだと思います。当社は、今回のご提供した「インパクト・アクティベーション・プログラム」をさらにブラッシュアップのうえ、事業を通じてポジティブな社会変化(インパクト)を実現したいと考える企業の皆様に提供してまいります。

筆者のTwitterでは、インパクトに関する企業の取り組みを紹介していますので、よろしければご覧ください。本記事、及び当社にご関心ある方はこちらからお問い合わせください。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?