ZINEの3つのタイプ属性とその特徴

世代的なものなのか、「属性」という言葉に魅かれてしまいます。

「ほのおタイプ」、「タイプ1/くさ タイプ2/どく」、「具現化系能力者」、「動物系幻獣種」、「鳥系のコアメダルコンボ」、などなど。マンガの能力やゲームのモンスターだったり、100を超えるバリエーションがあるものが数種類のタイプや属性に分類される。わかりやすいし、おもしろいです。

実は、ZINEの世界にも「属性」が存在する、ということが最近になってわかってきました。

もともとは、同じZINEでもオタク向けのものと、アートっぽいものでは、買ってくれるお客さんが違うよなぁ、ということを漠然と考えていた程度でした。

僕の作る民俗学エンタメZINE「民俗学は好きですか?」はどちらかというとオタク向きのイベントでよく売れる。一方、アート向きのZINEが多いイベントではちょっと伸び悩む。

そんな折、夏に「ZINEフェス埼玉」というイベントに出店したんです。これは吉祥寺で行われえている「吉祥寺ZINEフェスティバル」の出張版です。

そこでの顛末は別記事に書いたので詳しくは省くとして、結論を言うと、僕はこのイベントで「オタク趣味層」とも「アート好き層」とも違う、「読書好き層」ともいうべき層があること、僕のZINEが一番好まれているのは実はこの層ではないかということを考えるようになったのです。

そこから数か月いろいろ考え、その間も文フリ東京に参加したり、TOKYO ART BOOK FAIRに行ってみたりで、いろんなZINEがあること、ZINEの種類ごとに売り方もお客さんも大きく異なることに触れ、「ZINEには3つの属性がある」という考えを強くしていったのです。

では、その3つの属性とはどんなものか。

タイプ① アート系のZINE

画集・イラスト集・写真集など、アート作品を収録したZINE。詩集や歌集なども含める。本というよりもアート作品集の色合いが強い。

タイプ② 読み物系のZINE

小説・エッセイ・旅行記・漫画などを収録したZINE。ほかにも、趣味や学問などの一つのテーマに絞ってまとめた評論集なども含める。

タイプ③ 資料情報系のZINE

マニアックなテーマについての研究や考察をまとめたZINE。同じ趣味系でもタイプ②が読み物に近いのに対し、タイプ③は図鑑や資料集に近く、より「同じマニアの人」に向けた傾向が強い。

僕のZINEはタイプ②に属しているのですが、オタク向け要素も強く、「③よりの②」といったところです。

注意しなければいけないのが、自分のZINEがどのタイプに属するかということは、ZINEの内容や形式よりも、どんな読者が多いか、自分のZINEを買った人がほかにどんな本やZINEが好きなのか、で決まるということです。

だから、たとえ小説でもラノベっぽかったりアニメやマンガの二次創作だったりでオタク系の読者が多いのであれば、僕はタイプ③に分類します。

いわばこの分類はZINEの内容ではなく読者が主体の分類なんです。「このジャンルが好きな読者はどんなZINEを買っていくか」という分類なんです。実は読者の違いを表しているから、ZINEの分類ごとに売れるイベントも変わるし、売り方も大きく変わる。

このZINEの分類に関しては、まだまだ僕も研究の途中です。今後さらに2,3個増えるかもしれません(笑)。あまり属性とやらに囚われるのも窮屈です。そもそも、僕自身のZINEが「③よりの②」なんて曖昧な立ち位置です。

でも、自分のZINEがどの属性にあって、どんなイベントでどんな風に売っていけばいいのか、ということは考えておいて損はないと思います。


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