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22. 学生に説く英語の利点〜英語を勉強して良いことはあるのか〜

 英語を勉強して良いことはあるのか。言い換えれば、英語が得意であり、英語を使えることは良いことなのか、について考えてみました。

 ここでは、私が英語科教員になったと仮定して、英語を学ぶ中高生たちに、英語を勉強することで生じる利点について説明するとしたらこうする、という前提で意見を記しました。

 このテーマについてネットで検索すれば、日本語・英語双方の言語で多くのサイトがヒットします。
 統計の結果を出しているサイトも多く、説得力はありそうだったのですが、根拠が曖昧だったり、疑わしいものもあったりしたので、以下の意見は、私個人の体験・見解として記します。
 一般論ではありませんので、お読みの皆様全てに当てはまる訳ではないことをご了承ください。

①進路の選択肢が増える
 英語は理系・文系双方の分野で課せられる科目です。英語が得意であることは、進路の選択肢が増えることにつながります。

②学問を修めやすくなる
 最先端の成果は多くが英語で発信されています。よって、英語は優れた学問の成果に触れる最短の手段です。多くの大学では外国文献を読むだけの授業が開講されていることがその証左といえます。
 軽々しい表現ですが、「単位が取りやすくなる」と言えば身近に感じられるかもしれません。ウェブ上に公開されている大学のシラバスをみると、英語関連の科目は非常に多いように感じます。

③より多くの情報を入手できる
 海外情勢を例にするとわかりやすいのですが、日本国内で報じられているニュースは一部に限られています。日本語に訳されていない価値のあるニュースも存在します。例えば、コロナ禍では、感染に関する最新の研究成果が英語で発信されていましたし、イスラエル情勢も、現場での惨状がありのまま報じられていて、問題の深刻さが如実に伝わってきます。
より多くの情報を入手できれば、将来の予測が立てやすくなり、不安を抑える効果も期待できるでしょう。

④多様性に触れられる
 多国籍の人間が集まると、ほぼ英語が用いられます。フランス人、スペイン人、日本人である私の三人が集まると、英語で会話します。
 イギリスとアメリカの発信力の影響もあり、英語の歌、英語の演劇(映画)も多く、英語という言語を介し、多様な文化を体験できます。

⑤労働市場での価値が上がる
 英語の資格を取得すれば、勤勉な人としてプラスの評価を得られるでしょう。
 公務員の採用試験でも英語の資格取得が加点の対象となっている職もあり、ひいては、職を得やすくなります。

⑥就労の選択肢が増える
 労働資本としての自分の活躍の場が国内市場にとどまりません。海外での勤務が可能となり、就労の選択肢が国内企業だけでなく、外資系企業にも広がることでしょう。多様なキャリアを積むことができる、ともいえます。

⑦学力が高いとみなされることがある
 この場合、英語を国語や数学同様の科目として捉えている場合にみられる現象です。
 高偏差値取得者が必ずしも高い会話能力を備えているとは言えません。会話(特にスピーキング能力)は技能であり、英語を扱うことが学力の高さを裏付けているとは限りません。
 これにはある種の問題を含んでいるので、改めて論じたいと思います。

⑧「すごいね」と賛辞をいただける
 ただそれだけです。

 最後の2つに実益を見いだすことは難しいかもしれませんが、損することはないと想い、良い意味としてとらえました。

 重ねて申し上げますが、以上は私個人の体験や私見です。人により賛否が分かれると思います。また、自分の考えを上手く言語化できたとは思えません。さらに良い表現がないか、今後も思考を重ねていきたいと思います。

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